安川電機は1月9日、2026年2月期第3四半期累計(2025年3~11月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比0.4%増の3,952億2,700万円、営業利益は同3.3%減の331億9,500万円、税引前利益は同44.3%減の350億5,800万円、親会社所有者帰属四半期利益は同43.8%減の255億4,400万円となった。1株当たり四半期利益は98円49銭だった。
売上収益は前年同期をわずかに上回った。新規受注を確実に売上につなげたことで、受注残の正常化を進めた前年同期から増加した。営業利益は減少したものの、売上収益・営業利益ともにほぼ想定通りの着地となった。
税引前利益と親会社所有者帰属四半期利益が大幅な減益となったのは、前年同期に煙台東星磁性材料股份有限公司の株式譲渡益および残存株式の再評価益267億7,700万円を計上していた反動によるものだ。
当期の経営環境は、地政学的リスクや米国の関税政策などにより総じて不透明な状況が続いた。しかし上期に堅調だった国内電子部品市場に加え、グローバルの半導体市場もAI関連投資がけん引する形で期の後半から徐々に回復が見られた。また中国・韓国の自動車市場における設備投資需要は引き続き堅調に推移し、一般産業分野における自動化需要もグローバルで底堅く推移した。一方、日本・米州・欧州の自動車市場における設備投資需要は、関税影響などにより軟調に推移した。
■セグメント別状況
セグメント別では、モーションコントロール事業の売上収益が前年同期比4.2%減の1,708億5,300万円、営業利益は同2.4%増の163億7,900万円だった。売上収益は受注残の正常化を進めた前年同期に比べ減収となったものの、日本のACサーボモータおよび米国のインバータの売上が好調に推移した。利益面では付加価値の改善や間接費の抑制を進め増益となった。ACサーボモータは米州・アジアの半導体市場向けの販売が減少したものの、日本の電子部品市場向けを中心に販売が増加し微増となった。インバータは米国において太陽光発電用パワーコンディショナや空調用途向けの販売が堅調に推移した一方、オイル・ガス用途向けの販売は減少した。ただしオイル・ガス用途向けでは今後の業績に寄与する大口受注を獲得している。
ロボット事業の売上収益は前年同期比7.3%増の1,830億3,800万円、営業利益は同3.9%減の154億8,400万円だった。自動車市場では日本・米州・欧州は関税影響により設備投資が低調に推移したものの、中国と韓国での大口案件の売上が寄与した。また一般産業分野における設備投資需要をグローバルで捉えた結果、売上収益は増加した。営業利益については売上案件のミックスの影響により減益となった。
システムエンジニアリング事業の売上収益は前年同期比3.5%減の268億1,500万円、営業利益は同9.6%減の27億3,000万円だった。主力の鉄鋼プラントや港湾クレーン、社会システム向けの販売がそれぞれ微減となり減収減益となった。
その他事業の売上収益は前年同期比14.9%減の145億1,900万円、営業利益は同34.8%増の13億9,100万円だった。売上収益は減少したが、営業利益はその他の収益の増加などにより増加した。
地域別売上では、アジアの大幅な増収が他地域の減収をカバーし全体としてほぼ横ばいとなった。日本は前年同期比0.5%減の1,070億円、米州は同3.6%減の942億円、欧州は同6.9%減の505億円、中国は同0.4%増の859億円、中国除くアジアは同18.6%増の576億円だった。
財政状態については、資産合計が前連結会計年度末比527億9,200万円増の7,965億6,700万円となった。現金及び現金同等物が減少したものの、棚卸資産や契約資産の増加等により流動資産が増加し、有形固定資産やその他の金融資産ならびに無形資産等の増加により非流動資産も増加した。負債合計は同197億600万円増の3,238億7,000万円、資本合計は同330億8,600万円増の4,726億9,600万円となった。親会社所有者帰属持分比率は58.2%となっている。
■今後の見通し
通期連結業績予想については、地政学的リスクや米国の関税政策などにより不透明な状況の中、足元では需要の回復が見られるものの、第3四半期累計期間の進捗は想定通りであるため、2025年10月3日公表の予想を据え置いた。売上収益5,250億円(前期比2.4%減)、営業利益480億円(同4.3%減)、税引前利益505億円(同35.6%減)、親会社所有者帰属当期利益370億円(同35.1%減)、1株当たり当期利益142円66銭を見込んでいる。
想定為替レートは1ドル145円、1ユーロ160円、1元20円、1ウォン0.110円で変更なし。年間配当予想も1株当たり68円で変更していない。
同社は第3四半期において、セル構築の効率化やグローバル標準技術への対応を実現した製品の発売によりコントローラソリューションのラインアップを強化したほか、国際ロボット展でAIロボティクスとデジタルの技術融合による最新ソリューションを提案した。また再生医療等製品の製造プラットフォーム開発・提供を行うセラファ・バイオサイエンスをアステラス製薬と設立し、細胞培養自動化システムが米国食品医薬品局から先進製造技術指定を日本企業として初めて取得するなど、AIロボティクス領域の拡大に向けた取組みを推進している。
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