新年、明けましておめでとうございます。令和8年の年頭に当たりご挨拶を申し上げます。

昨年はアメリカのトランプ大統領の就任により、相互関税の導入など、1期目よりもはるかに急進的で、国際秩序や世界の貿易制度の枠組みを揺るがすような政策が次々と打ち出されました。
日本は政府間の交渉で15%という税率になりましたが、その後、鉄鋼・アルミに対する関税が追加されました。フォークリフトはアメリカ市場向けには、ほぼ全量現地生産となって輸出はほとんどありませんが、部品を100%現地で調達できているわけではありませんので、こうした関税引き上げへの対応を考えていく必要はございます。
日本では、10月21日に高市新政権が発足しました。経済対策では「責任ある積極財政」によって、国力を強化していくという方針が鮮明に打ち出され、ガソリンの暫定税率の廃止や、いわゆる「年収の壁」の見直し、さらに大規模な設備投資減税も決定しました。
もう一つ、昨年の大きなニュースとしては、大阪関西万博が、世界158の国と地域の参加を得て、2,900万人を超える来場者を迎えて、成功裡に開催されたことが挙げられます。
政府は今年度の日本の実質GDP成長率を1.1%増と見込んでおりますが、産業車両の国内生産額については、1~9月の累計で3,080億円、前年比約7%の増加という状況です。このペースでいけば、久しぶりの4,000億円台に達すると見込まれます。
協会では、今年度も「物流の効率化」、「安全の向上」、「環境負荷の低減」を事業の三本柱として、様々な取り組みを行ってまいりました。
まず「物流の効率化」に関しましては、“物流の2024年問題”によって物が運べなくなるのではないかとの懸念は杞憂に終わりましたが、政府が物流改革で目指した指標の一つである「荷待ち・荷役時間の削減」は達成できませんでした。このうち「荷役時間の削減」の実現には産業車両の貢献が
期待されているところです。パレット化の促進、そしてパレットの標準化に
よって、無人フォークリフトなどの産業車両による物流の結節点や、工場・倉庫などでの物流の自動化・機械化の一層の促進が期待されているところです。11月には「無人フォークリフト」が、中小企業省力化投資補助金の対象となりましたので、ぜひ、こうした制度も活用して、普及促進を進めてまいりたいと考えます。
9月には、私ども協会も主催団体の一翼を担って、「国際物流総合展イノベーションエキスポ」が、過去最高の5万人を超える来場者をお迎えして、成功裡に開催されました。
今年は、6月に初めて九州で開催する「九州・東アジア 国際物流総合展イノベーションエキスポ」、そして9月に東京で「国際物流総合展2026」と、2回の展示会を開催いたします。
私ども協会の会員も多数出展されますので、ぜひ数多くのお客様にご来場いただけるよう、その魅力を広く発信してまいりたいと思います。皆様もぜひ素晴らしい製品やソリューションの発表の場として活用いただきたいと思います。
事業の2つ目の柱である「安全の向上」に関しましては、昨年7月に、5回目となる「フォークリフト安全の日」を開催し、約150名の来場者をお迎えして、フォークリフトの安全新技術の紹介や、お客様の安全への取り組みの共有など、有益な情報発信を行うことができました。
令和6年のフォークリフトに起因する死亡労働災害の発生件数は16件と、厚生労働省の統計開始以来、最も少ない数字となりましたが、昨年は若干これを上回る件数となりそうです。今年は数字を再び最小にできるよう、安全向上のための活動をより強めてまいります。
また無人搬送車システムに関する国際安全規格の改正も進められておりますが、日本からも会議に代表を派遣して、建設的な提案を行って日本の意見が改正案に反映されるよう努めております。皆様のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
3つ目の「環境負荷の低減」に関しましては、業界のカーボンニュートラル行動計画のフォローアップ調査の結果、基準年度である2013年度比で工場からのCO2排出量を約23%削減することができました。
また、産業車両業界では、かねてより電気車、さらには水素を燃料とする燃料電池車の開発と普及促進により、お客様のスコープ3でのCO2排出削減を実現できるよう努めておりますが、それに加えて、政府が進めているバイオ燃料や合成燃料といった脱炭素燃料の活用に向けた検討会にも参加して、
多様な選択肢を考えていく材料としており、産業車両の製造・製品の両面での脱炭素化の取り組みをしっかりと進めてまいります。
以上、事業の三本柱に加えて、長年取り組んでおります業界のグローバル化への対応についても報告させていただきます。
昨年9月に24回目となる「日欧米中アライアンス業界首脳会議」をドイツで開催しました。トランプ関税については、アメリカの業界も対応に苦慮しており、率直な意見・情報の交換を行うことができました。
今年も9月にアメリカで開催の予定ですので、ぜひ議論を深め、業界の国際連携を図って、世界的な発展につなげてまいりたいと思います。
以上、私ども協会の今年度の活動の一端をご紹介させていただきました。
今年は、産業車両業界に限った話ではありませんが、AIやデジタル化が日本の経済や企業にとってますます重要な競争領域になっていくと考えられます。
産業車両でも自動化の促進について、世界的な競争が厳しくなっておりますが、社会・経済の基盤である日本の物流の維持・発展に貢献していけるよう、これからも単なる製品の提供にとどまらず、AIやデジタル技術も活用したソリューションの提案による課題解決にも力を注いでまいります。
会員の皆様のご協力ご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
そして経済産業省、国土交通省、厚生労働省、環境省をはじめとする関係御当局におかれましても、協会の活動に関しまして、より一層のご指導ご支援を賜わりますようお願い申し上げます。
最後になりますが、本年が皆様にとって素晴らしい一年となりますよう心より祈念して、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
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