南デンマーク大学、ダンフォスとHPEと協業しAI・スーパーコンピューティング向け次世代データセンター構築

・デジタル主権と持続可能性を両立、余剰熱の再利用で環境負荷低減

ダンフォス(Danfoss):2026年1月7日

南デンマーク大学(SDU:サウス・デンマーク大学/University of Southern Denmark)は、ダンフォス(Danfoss)およびHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ/Hewlett Packard Enterprise)と協業し、デンマーク国内にAIおよびスーパーコンピューティング(HPC)研究向けの先進的かつ高効率なデータセンターを構築する。
同プロジェクトは、デンマーク独自のオープンソース型研究クラウドを活用することでデジタル主権を強化するとともに、冷却・排熱回収技術を組み合わせた持続可能なデータセンター運用を目指す。

新データセンターはデンマーク国内に設置され、SDUが開発に関与したオープンソースの研究クラウド「ユー・クラウド(UCloud)」を基盤に運用される。これにより、海外ベンダーへの依存を抑えつつ、研究者が効率的にHPCリソースを活用できる環境を整える。
また、ダンフォスの先進的な冷却・熱回収システムを採用し、データセンターから発生する余剰熱を再利用することで、エネルギー効率の大幅な向上を図る。

本プロジェクトは、2029年までに地域エネルギーシステムのカーボンニュートラル化を目標とする、デンマーク南部スナボー市の官民連携プロジェクト「プロジェクトゼロ(ProjectZero)」の支援も受けている。

ダンフォスの最高情報責任者(CIO)であるスーネ・T・バーストラップ氏(Sune T. Baastrup)は、「当社の独自の冷却・熱回収技術によって環境負荷を最小化し、グリーンデータセンター技術の実用性を示せることを誇りに思う。持続可能性、技術革新、商業的競争力は両立可能であることを示す好例だ」とコメントしている。

■モジュール型AIデータセンターを採用

データセンターの設計・提供はダンフォスおよびHPEサービスが担い、HPEの「HPEデータセンターサービス AIモッドポッド(HPE Data Center Services – AI Mod POD)」を採用する。
同施設はAIおよびHPCワークロード向けに最適化されたモジュール型データセンターで、高密度・高性能な計算環境を実現する。

■主な構成は以下の通り。
• HPEクレイXD225v(HPE Cray XD225v)およびHPEプロライアント・コンピュートXD685(HPE ProLiant Compute XD685)
• HPEプロライアントDL325/DL365(HPE ProLiant DL325 / DL365)
• HPEネットワーキングCX6300スイッチ(HPE Networking CX6300)
• エヌビディア・クアンタム2インフィニバンド(NVIDIA Quantum-2 InfiniBand)ネットワーク
• エヌビディア・ブラックウェルGPU(NVIDIA Blackwell)128基
• 直接液冷方式(Direct Liquid Cooling)

さらに、ダンフォスのデータセンター向け熱回収モジュールを組み込み、排熱の有効利用を図る。

HPE北欧クラスター担当副社長兼マネージングディレクターのカーステン・ニールセン氏(Carsten Nielsen)は、「HPEはHPCおよびAIインフラの世界的リーダーであり、SDUと連携して主権型AIデータセンター基盤を高度化できることを誇りに思う。今回の協業から、デンマークの研究者による新たな科学的成果が生まれることを期待している」と述べた。

■長期視点での産学連携を強化

SDUとダンフォスは従来から緊密な協力関係にあり、今回のデータセンター整備により、AI、HPC、持続可能技術分野での共同研究・開発が一層進む見通しだ。HPEは、プロジェクトを支えるモジュール型データセンターコンテナおよびインフラを提供する。

■データセンターの主な特徴
• エヌビディア・ブラックウェル(NVIDIA Blackwell)世代の最新HPC・AI基盤を研究用途向けに提供
• 国立研究クラウド「UCloud」を通じてHPCリソースを開放。全分野の研究者が利用可能
• UCloudはSDU eサイエンスセンター(SDU eScience Center)が、オールボー大学のCLAAUDIA(Aalborg University / CLAAUDIA)およびオーフス大学人文学計算センター(Center for Humanities Computing, Aarhus University)と8年かけて共同開発
• デンマーク国内すべての大学で利用され、利用者数は約2万人
• ダンフォスの冷却・熱回収システムと完全統合し、大幅な省エネとCO₂ニュートラル運用を支援
• データセンターの余剰熱を地域エネルギーとして100%再利用可能
• ProjectZeroの支援のもと、「削減・再利用・再生」の3段階脱炭素アプローチを推進し、エネルギー起因のCO₂排出削減で実績を上げている

ニュースリリース