東京ガスと岡谷鋼機、北海道苫小牧市で系統用蓄電所の建設に着手

・再エネ導入加速へ調整力供給基盤を強化

東京ガス岡谷鋼機は11月25日、北海道苫小牧市で系統用蓄電所「苫小牧パワーストレージステーション」の建設に着手し、起工式を行ったと発表した。商業運転開始は2028年以降を予定する。

本事業は、一般社団法人環境共創イニシアチブによる「令和6年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業」に採択されたもので、両社が共同出資する苫小牧パワーストレージ合同会社が開発を担う。建設用地は岡谷鋼機が賃貸し、東京ガスが日本卸電力取引所(JEPX)および需給調整市場での電力取引を実施する。

また、東京ガス100%子会社の東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)がオーナーズエンジニアとして施工管理や電気主任技術者の派遣を担当する。

北海道は再生可能エネルギーの導入が進む一方、需要と発電量の変動幅が大きく、調整力確保が地域課題となっている。両社は本蓄電所の稼働により、電力系統の安定化と再生可能エネルギーの活用促進を目指す。

■設備概要
名称:苫小牧パワーストレージステーション
設置場所:北海道苫小牧市
蓄電池出力/容量:2.5万kW/7.5万kWh
開発:苫小牧パワーストレージ合同会社
運用:東京ガス
建設用地賃貸:岡谷鋼機
工事開始:2025年12月
商業運転開始:2028年以降(予定)

東京ガスは、2050年のカーボンニュートラルを掲げ、分散型電源や調整力確保を位置付けた戦略を推進中。2024年に国内で初の自社開発蓄電事業を開始し、2025年には最適運用サービスも展開するなど、蓄電領域での事業拡大を進めている。今回の案件を含め、契約ベースの運用容量は32.5万kWに拡大する。

一方、岡谷鋼機は環境配慮型製品の取扱拡大を進めており、本事業参画を通じて再エネ活用促進と関連製品開発の強化を図る。

両社は引き続き、再エネの調整力基盤構築とエネルギー供給の安定化への貢献を目指すとしている。

■プロジェクト概要
プロジェクト名:苫小牧パワーストレージステーション建設事業
所在地:北海道苫小牧市
事業者:苫小牧パワーストレージ合同会社
設備仕様:蓄電池出力2.5万kW/容量7.5万kWh
用途:系統安定化・需給調整市場取引
工期:2025年12月着工~2028年以降運転開始
役割分担:開発=苫小牧PS/運用=東京ガス/土地賃貸=岡谷鋼機/工事・技術支援=TGES

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