新日本電工(東京都中央区)は11月27日、茨城県鹿嶋市の鹿島工場において、焼却灰溶融炉等の増設を決定したと発表した。投資額は約120億円で、2027年12月の営業運転開始を予定している。
■段階的増強計画を推進
今回の増設は、同社が2023年11月に公表した中長期経営計画に基づくもの。焼却灰資源化事業の需要拡大を見据え、段階的な溶融炉増強を進める施策の一環として実施される。
増設されるのは、焼却灰5号溶融炉(EM5)本体と、5号・6号溶融炉の共通設備。5号溶融炉の処理能力は年間約3万5,000トンとなる。これにより、鹿島工場の溶融炉は既存の4基に加え、新たに5号炉が稼働することになる。なお、6号溶融炉本体の増設時期については、今後適切なタイミングで改めて決定するとしている。
■資源循環型社会の構築に貢献
同社の焼却灰資源化事業は、自治体や産業界から排出される焼却灰を溶融固化により無害化し、生成される有価金属やスラグを資源として循環させる「パーフェクトリサイクル」を実現している。
現在、焼却灰の大部分は埋め立て処分されているが、全国的に処分場の残余容量が減少しており、資源化需要の増加が見込まれている。今回の設備増強により、同社は拡大する市場ニーズに対応し、循環型社会の構築に一層貢献していく方針だ。
同社によると、本件が当期業績に与える影響はないとしている。
<増設の概要>
増設設備:
①焼却灰5号溶融炉及び6号溶融炉共通設備
②焼却灰5号溶融炉(EM5)
設置場所:鹿島工場(茨城県鹿嶋市光4)
焼却灰処理能力:約35,000トン/年(EM5)
設備投資金額:約120億円
5号炉営業運転開始:2027年12月予定