住友重機械、渡部敏朗氏が新社長に就任へ

・下村真司社長は会長に、荒木達朗氏が副社長に昇格

住友重機械工業は11月27日、2026年1月1日付で代表取締役および役員の異動を行うと発表した。現社長の下村真司氏が代表取締役会長に就任し、現CFO(最高財務責任者)の渡部敏朗専務執行役員が代表取締役社長兼CEOに昇格する。

新社長に就任する渡部氏は1963年3月生まれの61歳。1986年に同社入社後、プラスチック機械事業部や財務経理本部で要職を歴任し、2019年から財務経理本部長、2024年1月からはCFOとして経営の中枢を担ってきた。財務・経営管理のスペシャリストとして知られ、同社の経営基盤強化に貢献してきた実績が評価された形だ。

また、メカトロニクスセグメントのパワートランスミッション・コントロール事業部長を務める荒木達朗専務執行役員が代表取締役、執行役員副社長に昇格する。荒木氏は1962年5月生まれの62歳で、1986年入社。住友重機械ギヤボックス(旧セイサ)の社長などを歴任し、同事業部の生産・事業運営を統括してきた技術畑出身の経営者だ。

一方、下村真司現社長は代表取締役会長に就任し、引き続き経営の舵取りに関わる。また、岡村哲也代表取締役会長は2025年12月31日付で代表取締役を退任し、取締役となる。

同社は今回の人事異動について「2026年1月1日以降の役員新体制決定による」と説明している。

■その他の主な人事異動

今回の人事では、専務執行役員への昇格人事も複数発表された。土屋泰次メカトロニクスセグメント長、続木治彦氏(愛媛製造所長)、荒居祐基企画本部長の3氏が専務執行役員に昇格する。

また、2026年3月下旬開催予定の株主総会では、続木氏と荒居氏が新任取締役候補として提案されるほか、華房実保氏が新任社外取締役候補として提案される予定だ。

■組織改正でSBU制を本格導入

同社は人事異動と併せて、2026年1月1日付で大規模な組織改正も実施する。2023年1月に発足したセグメント制の機能を強化するため、従来の事業部制を廃止し、市場起点で価値創出を担う戦略ビジネスユニット(SBU)を正式組織として立ち上げる。

メカトロニクス、インダストリアル マシナリー、ロジスティックス&コンストラクション、エネルギー&ライフラインの4セグメントにおいて、それぞれ複数のSBUを新設。顧客基盤や技術の連携によるシナジー強化と、成長領域への重点投資を通じた事業ポートフォリオの最適化を図る。

本社組織では「企画本部」を「グローバル戦略本部」に改称するほか、「半導体装置事業推進室」を新設し、成長が見込まれる半導体関連事業の強化に取り組む方針。

※その他の役員異動の詳細については、ニュースリリース参照