・ゼロエミッション機器のラインアップを拡充、リモートサービスも全世界で提供開始
コネクレーンズ(Konecranes):2025年11月25日
マテリアルハンドリング機器大手のコネクレーンズは11月25日、シンガポールで開催されたTOCアジア(TOC Asia)展示会において、同社初となる電動リーチスタッカー(electric reach stacker)を発表した。港湾顧客からの需要拡大に応えるため、低排出ガスからゼロエミッションまでの港湾機器ポートフォリオを強化する。併せて、リモートサービス(Remote Services)の全世界展開も発表し、現地作業員を必要とせずに運用効率の向上とダウンタイムの削減を可能にする。
今回発表された電動リーチスタッカーは、アジア太平洋(APAC)、中東・アフリカ、南米の各市場向けに当初から提供される。高エネルギー密度のリチウムイオン(Li-Ion)電池を搭載した高性能電動駆動システムにより、最大16時間の連続稼働が可能で、生産性を損なうことなくコンテナの積み上げと運搬作業を実現する。
同社リフトトラック(Lift Trucks)部門のアンドレアス・フォルク(Andreas Falk)上級副社長は「世界中の顧客に最高のリフトトラックとソリューションを提供することに注力している。この新型電動リーチスタッカーにより、完全電動化されたリフトトラックのポートフォリオが完成し、港湾でも製鉄所でも、単一シフトでも24時間操業でも、顧客の業務改善を支援できる」と述べた。
リモートサービスについては、アジア太平洋地域への拡大により、全世界での提供が可能となった。初回コンタクトから即座にトラブルシューティングを開始し、現地診断のための専門家の支援を提供する。東南アジアや欧州のターミナル事業者は既にこのサービスを活用し、運用効率の向上を実現している。
港湾サービス(Port Services)部門のニコ・ザムゾウ(Nico Zamzow)上級副社長は「リモートサービスのアジア太平洋地域への展開は、グローバル顧客にリアルタイムの専門サポートを提供する戦略的なステップだ。港湾が排出削減と稼働率の最大化に取り組む中、デジタル化は不可欠となっている」と語った。
コネクレーンズは2025年を通じて、港湾業界の競争力維持を支援する革新的技術を相次いで投入している。コネクレーンズ・ノエル水素燃料電池ストラドルキャリア(Konecranes Noell Hydrogen Fuel Cell Straddle Carrier)、コネクレーンズEハイブリッドRTG(Konecranes E-Hybrid RTG)、電動空コンテナハンドラー(electric empty container handler)などを発表しており、これらの製品は同社の環境配慮型コンセプト「エコリフティング」(Ecolifting)の一環として展開されている。
同社は約50カ国で1万6,500人の従業員を擁し、2024年の売上高は42億ユーロに達した。株式はナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場している(銘柄コード:KCR)。
コメントを投稿するにはログインしてください。