三菱重工、シクロオレフィンポリマー新工場のEPC契約を受注

・山口・周南市で日本ゼオン向け生産設備を建設/2028年度上期竣工予定

三菱重工業は11月25日、日本ゼオンが山口県周南市で計画するシクロオレフィンポリマー(COP)製造プラントについて、設計・調達・建設(EPC)契約を受注したと発表した。竣工は2028年度上期を予定する。

同社はプロセス設計から主要機器の調達、据付工事まで一貫したEPCサービスを提供する。建築・土木工事についてはフジタが担当する。化学プラント分野で培った技術、特に高機能化学品に関わる提案力が今回の受注につながったとしている。

三菱重工業はこれまでメタノールやアンモニアなどを対象としたプラントで多数の実績を持つが、近年はCOPを含む高機能化学品製造設備への展開を強化。今回の契約受注により、国内外の化学品分野における存在感をさらに高める構えだ。

COPは光学特性や耐湿性に優れ、不純物が極めて少ないという特徴を持つ。今後、光学部材、医療製品、半導体関連用途などで需要拡大が見込まれており、日本ゼオンは生産体制拡充を進めている。

三菱重工業は、化学品需要の高機能化・多様化に対応したプラント事業の拡充を通じ、産業基盤の高度化と持続可能な社会の実現に貢献していく方針。

<プロジェクト概要>
計画主体:日本ゼオン
所在地:山口県周南市
建設内容:シクロオレフィンポリマー製造プラント
工事形態:EPC(設計・調達・建設)
EPC受注者:三菱重工業
建築・土木担当:フジタ
竣工予定:2028年度上期

※シクロオレフィンポリマー:光学用途・医療用途・半導体用途向けの高機能樹脂。吸水性が低く、不純物が少ないことから精密用途で需要が拡大している。

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