・アフリカで実証、鉱山の電力安定化と環境負荷低減を両立
三一(SANY):2025年11月21日
中国の建設機械大手、三一集団(SANY)は11月18日、ザンビアの首都ルサカで「グリーンマイニング・マイクログリッド統合ソリューション」のグローバル発表会を開催した。鉱山向けに太陽光発電、蓄電池、ディーゼル発電を統合制御する同システムは、電力インフラが脆弱な地域での安定供給と環境負荷低減を実現する画期的な技術として注目される。
発表会にはザンビア鉱業省のポール・カブスウェ大臣をはじめ、エネルギー専門家、国際顧客ら100名余りが出席。三一集団の戴晴華取締役(三一シリコンエネルギー董事長)は「エネルギー革命は人類共通の使命だ。当社のマイクログリッド技術は、グローバルなエネルギー転換に実行可能な中国発のソリューションを提供する」と強調した。
実証プロジェクトで性能を確認
発表会前日には、参加者がザンビアのジョワ鉱山マイクログリッドプロジェクトを視察。太陽光、蓄電、ディーゼル発電を知能的に協調制御し、24時間安定した電力供給を実現する同システムの実力を確認した。騒音低減効果も高く評価され、「技術による社会貢献」の実践例として注目を集めた。
三一シリコンエネルギー・マイクログリッド研究院の鄧俊波院長は、ジョワ鉱山プロジェクトを例に技術の核心を解説。系統連系・独立運転の切替機能、グリッドフォーミング型電源技術、太陽光・蓄電・ディーゼルの最適協調制御など、同社の技術的優位性を示した。
■アフリカ各国で実績、現地適応を重視
三一のマイクログリッド技術は現地適応を核心に据え、ギニアの鉄鉱山、ザンビアの銅鉱山、ジンバブエの金鉱山などで標準的プロジェクトを展開。鉱山、産業団地、地域コミュニティ全般に対応するサービス能力を形成している。
「一鉱山一策」のカスタマイズサービスにより、設計から納品、運用保守まで一貫したソリューションをグローバル顧客に提供。技術移転と産業共生を推進する姿勢が評価されている。
カブスウェ大臣は「三一のソリューションはアフリカ鉱業にグリーン転換の道筋を示すものだ」と高く評価。ザンビア電力公社(ZESCO)の会長も「大規模導入が実現すれば、遠隔地の鉱山における電力供給状況が大幅に改善される」と期待を示した。
■戦略提携で事業拡大へ
発表会では、三一集団と複数の国際企業・機関との戦略提携協定の調印式も行われた。マイクログリッド、バッテリー交換ステーション、建設車両調達など多岐にわたる分野での協力関係を構築。三一集団の許中天高級副総経理(三一シリコンエネルギー・マイクログリッド投資開発会社総経理)が代表として署名した。
三一集団は今後もイノベーションと環境配慮の理念を堅持し、グローバルパートナーと協力してクリーンで高効率かつ持続可能なエネルギーシステムの構築に貢献する方針。
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