ハイスター・エール(Hyster-Yale, Inc.) :2025年11月19日
米国オハイオ州クリーブランド発、フォークリフト大手のハイスター・エールは11月19日、事業構造の再編計画を発表した。現在の経済および業界動向を踏まえ、特に産業用セグメントにおける低調な需要に対応するため、コスト構造の最適化を進める。
同社は今回の再編により、世界全体で約575名の人員削減を実施する。削減対象は製造部門とスタッフ部門にまたがり、近年の出荷率と受注率の不均衡に対処する狙いがある。この施策により、2025年第4四半期に約2,100万ドルの一時的な税引前費用が発生する見込みだが、2026年第1四半期以降は年間4,000万〜4,500万ドルのコスト削減効果を見込んでいる。なお、今回の施策は以前に発表した再編計画に追加されるものとなる。
同社経営陣は声明で「困難な決断ではあるが、当社が明確に定めた戦略的方向性を維持するために必要な措置である」と説明。影響を受ける従業員への支援を行うとともに、持続可能で長期的な収益成長を実現する体制構築に注力する姿勢を示した。
今回の再編により、同社の損益分岐点が引き下げられ、現在の低水準な業界出荷量により適合した事業体制が構築される。業界需要は2026年半ばに回復が見込まれており、需要回復時にはより高い収益性を実現できる体制が整うとしている。
■ ハイスター・エールについて
ハイスター・エールは、Hyster、Yale、Maximal、Nuveraの各ブランドでフォークリフトおよび関連ソリューションを世界的に展開。子会社のBolzoni S.p.A.はアタッチメント、フォーク、リフトテーブルの世界的メーカーとして知られ、Bolzoni、Auramo、Meyerのブランドで製品を供給している。また、完全子会社のHyster-Yale Materials Handling 社は、住友ナコフォークリフト株式会社との非連結合弁事業も日本で行っている。
同社は「港から家庭まで、世界が資材を動かす方法を変革する」というビジョンのもと、顧客のマテリアルハンドリングニーズに最適なソリューションを提供し、製品ライフサイクル全体を通じた価値創造を目指している。