欧州中古建機市場、小型機械が回復を牽引

Construction and Engagementは11月20日、リッチーブラザーズ(Ritchie Bros)がまとめた最新の中古機械市場動向レポートを発表した。それによると、欧州の中古機械市場は価格の安定や需要の増加、越境取引の拡大を背景に回復が鮮明となっている。

同レポート(2025年第3四半期欧州版)は、リッチーブラザーズのオークションデータとMascusの出品情報を基に作成されたもので、市場は「回復段階から再構築フェーズ」へ移行しつつあると指摘。買い手側では排ガス規制に適合した比較的新しい機械への需要が高まり、売り手側では市場流動性向上の恩恵が広がっているという。

市場を牽引しているのは引き続き小型機械で、レポートでは「より回復力が強く、実用性の高い中古市場」と評価している。

■建設機械が好調維持

建設機械市場は、小型機械や土木機械を中心に第3四半期も堅調に推移した。

アーティキュレートダンプトラックはインフラ整備や採石需要を追い風に顕著な回復を示し、オークション価格中央値は前年同期比5%増の約4万2,700ユーロとなった。落札数が79%増加したことが価格を押し上げた形で、ブランド別ではボルボ・コンストラクション・エクイップメントが最多販売となり、英国、ベルギー、オランダが主要買い手市場となった。

クローラー式油圧ショベルは、販売台数が前年同期比35%増となった一方、価格中央値は約3万1,000ユーロで横ばい。英国、スペイン、ベルギーが主な買い手市場で、Mascus上の需要指標(メール・電話問い合わせ)は英国、ドイツ、オランダからの関心増により前年同期比37%上昇した。

小型油圧ショベルは引き続き際立ったカテゴリーで、Mascus需要は前年比27%増、オークション取引量は10%増となった。価格中央値は3%上昇の1万1,800ユーロ。国別ではイタリアが最も多く購入し、レンタル会社や建設業者の小型フリート更新が進むスペイン、フランスが続いた。

リッチーブラザーズは、今回の統計について「購入者心理の改善と、長期間の不安定な市場環境からの安定化を示すもの」と分析。また、欧州で排出ガス規制が強化される中、新車需要も着実に高まっていると指摘した。

同社EMEA営業責任者のダンカン・エインズコフ(Duncan Ainscough)氏は「欧州市場は自信を取り戻しつつある。買い手は価値を重視し、長期運用に資する効率的で規制準拠の機械を求める傾向が強まっている」と述べた。

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