・独BKL社がLTM 1300-6.4を導入、フランクフルト拠点で運用へ
リープヘル(Liebherr):2025年11月19日
ドイツ・エヒンゲン発、リープヘル・ヴェルク・エヒンゲン社(Liebherr-Werk Ehingen GmbH)は11月上旬、同社にとって記念すべき累計50,000台目のモービルクレーンをBKLバウクラン・ロジスティック社(BKL Baukran Logistik GmbH)に引き渡した。この節目は、同工場の飛躍的な発展を象徴するものとなった。
1969年の創業以来、リープヘルは生産能力を着実に拡大してきた。2006年に20,000台目を出荷、その8年後には30,000台目に到達。その後わずか6年で第40,000台目、さらに5年後の今回、50,000台目という大台に達した。
■90メートル伸縮ブームを装備
記念すべき50,000台目の機体は、300トン吊りクラスの6軸モービルクレーン「LTM 1300-6.4」。BKL社の技術担当マネージングディレクターであるロバート・ポップ(Robert Popp)氏と、フランクフルト拠点責任者のティツィアン・オフマン(Tizian Ochmann)氏がエヒンゲン(Ehingen)の製造工場で引き渡しを受けた。
ポップ氏は「リープヘル(Liebherr)とは長年にわたり良好なパートナーシップを築いてきた。この特別なクレーンを受け取ることができ、大変光栄だ。同時に、リープヘルの輝かしい企業史におけるこの大きな節目を祝福したい」とコメントした。
同機はBKLフランクフルト拠点で稼働中のLTM 1300-6.2の後継機として導入される。オフマン氏は導入の狙いについて、「90メートルの伸縮ブームを持つこの300トンクレーンは、当社のフランクフルト拠点のラインナップを完璧に補完する。6軸クレーンは市街地での作業に特に適しており、長いブームを活かせば主ブーム延長なしで建設用クレーンの組み立てが可能だ。これが主要な用途の一つとなる」と説明した。
■最新の制御システムと運転支援機能を搭載
LTM 1300-6.4は2024年春に市場投入された最新モデル。前モデルのLTM 1300-6.3との主な相違点は、新設計のキャビンと最新のLICCON3制御システムの採用にある。
オフマン氏は「フランクフルトをはじめBKLの各拠点ではLTM 1300-6.3を複数台運用しており、良好な使用実績があるため後継機種を選定した。より近代的な制御システムに加え、LTM 1300-6.4は新しい運転支援システムを提供する。これは技術進歩と、近代的で信頼性の高いクレーン車両群というBKLの基本方針に合致している」と評価した。
BKLフランクフルト拠点では既にLTM 1100-5.3やLTM 1110-5.2といったLICCON3搭載クレーンを保有。同拠点には多数のモービルクレーンが常駐しており、建設現場の電源で稼働可能な最新のリープヘル製モービル建設クレーンも複数台含まれる。最新の導入機種は新型のMK 120-5.1Eだ。
■半世紀超の発展の歴史
リープヘル・ヴェルク・エヒンゲン社は1969年、当時の個人事業主ハンス・リープヘル(Hans Liebherr)の子会社として設立された。同年、モービルクレーンと船舶用クレーンの生産を開始。1978年には最初のクローラクレーンを納入し、既に500トン超の吊り上げ能力を提供していた。
拡大するモービルクレーンシリーズに対する増大する生産能力要件により、1980年からエヒンゲンではモービルクレーンに完全に特化し、船舶用、オフショア用、コンテナクレーンの生産はリープヘル・ヴェルク・ネンツィング社(Liebherr-Werk Nenzing GmbH)に移管された。
1980年代半ばまでに、トラッククレーン製品群は新しいLTM全地形クレーンシリーズに転換。路上走行とオフロード走行の両用を可能にしたこの技術的に全く新しい世代のクレーンは、国内外の顧客から大きな注目を集め、モービルクレーン市場におけるリープヘルの市場リーダーシップの基盤を形成した。現在、リープヘルはエヒンゲン工場で年間約2,000台のモービルクレーンを生産している。
コメントを投稿するにはログインしてください。