三一重工、25年7〜9月売上は10.73%増の29.6億ドル、「三つの変革」戦略が成長を後押し

・1~9月売上は13.56%増の91.8億ドル

三一(SANY):2025年11月13日

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三一重工(SANY Heavy Industry Co., Ltd.)が11月に発表した2025年第3四半期(7〜9月)決算によると、グローバル化・デジタル化・低炭素化を柱とする「三つの変革」戦略の効果が着実に表れ、主要指標が大きく改善した。

■堅調な業績、収益力も向上

2025年7~9月期の売上高は29.6億ドル(前年同期比+10.73%)となり、株主帰属純利益は2.7億ドル(同+48.18%)と大幅な伸びを示した。
1~9月累計では売上高が91.8億ドル(同+13.56%)、株主帰属純利益は10億ドル(同+46.58%)に達した。営業活動によるキャッシュフローも20.3億ドル(同+17.55%)と改善し、収益性向上が鮮明となった。

■グローバル化と低炭素化が同時進展

同社はグローバル展開と脱炭素の両立を推進しており、各地域で成果が出始めている。

アフリカでは、三一シリコンエナジー(SANY Silicon Energy)が手掛けたザンビア・チョワ鉱山ソーラー発電プロジェクトが11月1日に送電網への接続を完了した。鉱区の既存リソースを活用し、高度なマイクログリッドシステムにより、鉱山用車両や建設機械の電力需要に対応するもの。安定的な電力供給を実現するとともに、ザンビアでの“グリーンマイン”モデル構築に貢献する。

欧州市場では、オーストリアのライファイゼン・インターナショナル・バンク(Raiffeisen International Bank)との戦略的提携により、新たなエネルギー関連ファイナンスモデルの開発に着手。欧州市場での成長加速を見据えた布石となる。

■デジタル化はAIシミュレーションを軸に推進

同社グループ(三一集団:SANY Group)は、2025 Global Simulation Conferenceでリアルタイムシミュレーション、知能運転、作業シミュレーション、多機連携技術などAI活用の最新デジタル技術を披露した。産学連携による知能シミュレーションの製品適用を進め、建設機械分野のデジタル転換と競争力強化を図る。

三一重工は「三つの変革」戦略を軸に、グローバル事業の拡大、デジタル技術の導入、低炭素化の推進を継続する方針だ。顧客ニーズの高度化に対応しながら、持続的な成長と競争力の強化を目指す。

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