プライメタルズ テクノロジーズ、河北津西鋼鉄向けにスラブ連続鋳造機2基を受注

・年間250万トン×2基の大型設備、NOESなど高級鋼の生産拡大を後押し

プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は11月18日、中国の大手鉄鋼メーカーである河北津西鋼鉄集団(Hebei Jinxi Steel Group)から、年間250万トンの2ストランド式スラブ連続鋳造機2基を受注したと発表した。最新の鋳造技術と高度なデジタル化を組み合わせた大型投資で、同社が注力する高級無方向性電磁鋼板(NOES)などの高級鋼生産能力を強化する。

■最新鋳造技術で高級鋼の生産強化

今回の設備は、鋳造厚200~230ミリ、鋳造幅800~1,800ミリの幅広いスラブに対応し、低〜高炭素鋼、低合金鋼、包晶鋼、API鋼、高張力鋼、圧力容器用鋼など多様な鋼種をカバーする。
津西鋼鉄はNEV(新エネルギー車)向けNOESなど高級電磁鋼の増産を計画しており、安全性とデジタル化を重視したプライメタルズの鋳造技術を高く評価。230mm厚スラブの鋳造実績に加え、2006年稼働のビームブランク連鋳機への満足度も今回の採用につながった。

■高度デジタル化設備:LevCon・Mold Expert・DynaWidth

新鋳造機は、モールドレベルを自動制御する「LevCon」、ブレークアウト防止の「Mold Expert」、幅調整を迅速化する「DynaWidth」に加え、ストレートカセット型「Smart Mold」を採用。
さらに、3Dロールギャップ制御「DynaGap 3D」や、Smart Segments と I-Start ローラーを組み合わせたストランドガイド機構により、動的ソフトリダクションを実現し、中心偏析を抑制して内部品質を大幅に向上させる。

また、レベル1・レベル2を含む包括的デジタル化パッケージが導入され、最適鋳造条件の自動化・最適化を支援する。

設備は河北省唐山近郊の同社工場に設置され、2026年末の稼働開始を予定する。

■背景:河北津西鋼鉄の拡大戦略

河北津西鋼鉄集団は1986年設立で40社超を傘下に持つ中国最大級の鉄鋼メーカー。17年連続で「中国企業500社」にランクインし、熱延・冷延コイル、鋼板、H形鋼、パイプ、鉄筋など幅広い製品群を展開する。
同グループは高級鋼の比率を高める戦略を進めており、今回の投資は電磁鋼板や特殊鋼市場の拡大を視野に入れたものとなる。

<プロジェクト概要(津西鋼鉄向けスラブ連続鋳造機)>
• 発注者: 河北津西鋼鉄集団(Hebei Jinxi Steel Group)
• 納入者: プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)
• 設備内容: 2ストランドスラブ連続鋳造機 × 2基
• 年間生産能力: 各250万トン
• スラブ寸法: 板厚200~230mm、板幅800~1,800mm
• 対応鋼種: 低〜高炭素鋼、低合金鋼、無方向性電磁鋼、包晶鋼、API鋼、高張力鋼、圧力容器用鋼
• 主な技術: LevCon、Mold Expert、DynaWidth、Smart Mold、DynaGap 3D、Smart Segments、I-Start
• 設置場所: 河北省唐山近郊・津西鋼鉄工場
• 稼働予定: 2026年末

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