日本産業機械工業会がまとめた2025年度上半期(4月~9月)の産業機械受注総額は3兆5,910億円となり、前年同期比27.5%増となった。年度上半期としては5年連続、年度半期としては5期連続で前年同期を上回る好調な結果となった。
内需は2兆1,841億円(同17.5%増)となり、年度上半期としては2年ぶり、年度半期としては3期ぶりに前年同期を上回った。外需は1兆4,069億円(同47.0%増)となり、年度上半期としては2年連続、年度半期としては3期連続で前年同期を上回った。
■需要部門別、製造業・非製造業ともに増加
製造業向けは化学工業、石油・石炭、鉄鋼、非鉄金属、造船の増加により7,550億円(同38.2%増)となり、年度上半期としては3年ぶり、年度半期としては2期連続で前年同期を上回った。
非製造業向けは電力、卸売・小売、不動産、情報サービスの増加により7,169億円(同10.6%増)となり、年度上半期としては2年ぶり、年度半期としては3期ぶりに前年同期を上回った。
官公需は地方公務の増加により5,018億円(同9.1%増)となり、年度上半期としては3年連続、年度半期としては6期連続で前年同期を上回った。
代理店向けは2,103億円(同2.8%増)となり、年度上半期としては5年連続、年度半期としては9期連続で前年同期を上回った。
機種別、12機種中8機種が増加
内需では、ボイラ・原動機(18.9%増)、鉱山機械(0.1%増)、化学機械(含冷凍)(17.7%増)、タンク(152.0%増)、圧縮機(1.4%増)、運搬機械(25.9%増)、金属加工機械(45.1%増)、その他機械(36.1%増)の8機種が増加した。減少したのはプラスチック加工機械(▲25.4%減)、ポンプ(▲6.7%減)、送風機(▲3.0%減)、変速機(▲15.7%減)の4機種だった。
外需では、ボイラ・原動機(186.5%増)、鉱山機械(88.7%増)、タンク(4559.9%増)、圧縮機(14.9%増)、変速機(0.0%増)、その他機械(1.7%増)の6機種が増加した。減少したのは化学機械(冷凍含)(▲9.6%減)、プラスチック加工機械(▲23.3%減)、ポンプ(▲0.4%減)、送風機(▲43.2%減)、運搬機械(▲0.9%減)、金属加工機械(▲2.7%減)の6機種だった。
■輸出契約、53.1%増の1兆3,429億円、アジア向けが大幅増
2025年度上半期の産業機械輸出契約額は、主要約70社で1兆3,429億円と前年同期比53.1%の大幅増となった。
単体機械は1兆1,442億円(同39.9%増)、プラントは1,987億円(同235.0%増)といずれも大幅に増加した。
地域別では、アジアが9,049億円(115.6%増)と大幅に増加し、構成比67.4%を占めた。中東は1,554億円(▲45.1%減)、ヨーロッパは475億円(22.2%増)、北アメリカは1,669億円(84.9%増)、ロシア・CISは499億円(180.1%増)となった。
単体機械の機種別では、ボイラ・原動機(191.6%増)、鉱山機械(125.8%増)、冷凍機械(36.8%増)、金属加工機械(6.6%増)、変速機(1.8%増)の5機種が増加した。一方、化学機械(▲69.1%減)、プラスチック加工機械(▲20.4%減)、風水力機械(▲1.1%減)、運搬機械(▲1.3%減)、その他機械(▲0.6%減)の5機種は減少した。
■環境装置の受注、13.8%増の4,203億円、官公需が大幅増
2025年度上半期の環境装置受注額は4,203億円で、前年同期比13.8%増となった。民需と官公需の増加により全体を押し上げた。
需要部門別では、製造業向けが化学向け、機械向け産業廃水処理装置の増加により261億円(同13.2%増)、非製造業向けがその他向け都市ごみ処理装置の増加により366億円(同10.7%増)となった。官公需は都市ごみ処理装置の増加により3,470億円(同20.4%増)となった。外需は都市ごみ処理装置、事業系廃棄物処理装置の減少により107億円(同▲57.5%減)となった。
装置別では、大気汚染防止装置が排煙脱硝装置、排煙脱硫装置の電力向けが減少したことから122億円(▲16.0%減)、水質汚濁防止装置が下水汚水処理装置、汚泥処理装置の官公庁向けが減少したことから916億円(▲15.2%減)となった。一方、ごみ処理装置は都市ごみ処理装置の官公庁向けが増加したことから3,163億円(28.2%増)、騒音振動防止装置は騒音防止装置のその他製造業向けが増加したことから2億円(28.1%増)となった。
2025年度上半期の受注統計により、産業機械業界は内需・外需ともに好調を維持し、特に外需の大幅な伸びにより力強い成長を続けていることが明らかになった。