・純銅・真鍮材を最短2日出荷、バスバーやスパッタ対策用途に対応
機械部品調達のAIプラットフォーム「メビー(meviy)」を展開するミスミグループ本社は11月17日、板金加工サービスにおいて純銅(C1020・C1100)および真鍮・黄銅(C2801P)の自動見積もり機能を新たに追加した。需要が高い一方で加工難度が高く、従来は長納期化しやすかった銅系材質を最短2日で出荷可能とし、電気・電子機器から溶接設備まで幅広い業界の即納ニーズに応える。
■純銅・真鍮を板金で即時見積もり
銅材は高い熱伝導性・導電性を備え、特にバスバーなど電流伝達部品で不可欠とされる。しかし純銅はレーザー加工時の反射や熱影響による変色・変形が発生しやすく、対応できる加工事業者が限られていた。一方、真鍮・黄銅は耐食性・加工性に優れ、溶接設備に用いられるスパッタ防止カバーなどで広く採用されているものの、同様に調達の不安定さが課題となっていた。
ミスミでは顧客からの要望を受け、今年9月にシム用真鍮の取り扱いを開始していたが、今回さらに対応範囲を拡大。生産体制の強化と加工仕様の標準化により、安定品質と短納期を両立した銅系板金部品の供給が可能となった。設計データ(3Dモデル)さえ用意すれば、これまで時間を要していた銅材部品も迅速に調達でき、突発的な設計変更にも柔軟に対応できるとしている。
■AI見積もりで調達作業の9割削減
meviyは3DデータをアップロードするだけでAIが即時見積もりし、最短1日で出荷するデジタル製造サービス。国内オンライン機械部品調達では4年連続でシェアNo.1を獲得し、「ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞も受賞するなど、製造業のDX基盤として浸透している。
ミスミはインダストリアル・オートメーション(IA)産業を中心に、部品調達の作業負荷を大幅に削減し、設計から製造現場の生産性向上につなげる取り組みを強化。「デジタルモデルシフト」を成長戦略に掲げ、調達プロセスの最適化を通じてユーザーの“時間価値”創出を進める。
■ミスミ、調達DXを武器にグローバル展開を加速
ミスミグループは、製造機能を持つメーカー機能と商社機能を併せ持つ独自モデルのもと、32.3万社以上へ機械部品や工具類を供給。「グローバル確実短納期」を武器に、海外でもmeviyサービスの提供を拡大している。
今回の銅材対応は、電気・電子、自動車、FA装置メーカーなど、銅系板金の短納期ニーズが大きい産業で活用が見込まれる。ミスミは「得ミスミ・楽ミスミ」のコンセプトのもと、部品調達の効率化とコスト削減を同時に実現し、ものづくり企業の生産性向上を支援していく方針。
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