竹中工務店、HVO51%混合軽油「サステオ」を建設重機で実証開始

・エンジン性能・操作性を現場条件で検証、CO₂削減に向け燃料転換を加速 —

竹中工務店(大阪市中央区)は11月17日、建設現場におけるCO₂排出削減に向け、東京都内の建設現場で次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を用いた建設重機の実証実験を開始したと発表した。同燃料は、ユーグレナが開発したHVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化処理植物油)を51%混合した軽油で、軽油規格に適合する。

■東京都の技術支援事業に採択、長期使用で性能影響を検証

実証は東京都が助成する「令和6年度新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」の一環として、江戸川清掃工場建替工事で実施。竹中グループの朝日興産平野石油が現場に燃料を供給し、建設重機へ長期間使用することでエンジン性能や操作性への影響を検証する。併せて、燃料供給体制や現場運用上の課題把握・改善にも取り組む。

■「サステオ」— 軽油への継ぎ足しが可能、建設機械での運用性向上

従来のHVO100%燃料は軽油より密度が低く、地方税法上、タンクに軽油が残る状態での継ぎ足しができない制約があった。「サステオ」は軽油規格に適合しており、この点を解消。公道走行を伴うラフテレーンクレーンなど、複数現場を移動する建設重機でも採用しやすくなる。

■CO₂削減目標の20%に相当、次世代燃料への転換を本格化

竹中工務店は「環境戦略2050」に基づき、2050年のカーボンニュートラル達成を掲げる。工事由来のCO₂排出はスコープ1が約75%、スコープ2が約25%を占めており、グループでは2030年までにスコープ1排出を32%削減(2019年比)する目標を設定。軽油の代替としてサステオを導入することで、この32%削減のうち約20%相当をカバーできる可能性があるという。

竹中工務店は、「2030年までにスコープ1+2で46.2%削減(2019年比)」の達成に向け、現場エネルギーのグリーン化を加速。次世代バイオディーゼル燃料の社会実装を通じ、脱炭素社会への貢献を進める方針。

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