王子ホールディングス、ベトナムで液体紙容器の新工場建設、約160億円投資

・東南アジア市場開拓と資源循環体制の構築を加速

王子ホールディングス(東京都中央区)は11月7日、ベトナム南部ドンナイ省アマタ・ロンタン工業団地で、液体紙容器(アセプティック容器)向け加工紙の新工場を建設すると発表した。東南アジアでの市場成長に対応するとともに、回収・リサイクル体制の構築を視野に事業基盤を強化する。

同社は、2023年5月に取得したイタリア IPI(イーピーアイ)社を起点に、液体紙容器事業を欧州、アフリカ、中南米へ拡大してきた。今回の新工場建設により、成長が著しい東南アジアおよび周辺地域への供給能力を確保し、市場開拓を加速する。

液体紙容器は無菌充填により常温で長期保存できる一方、構造上リサイクルが難しいとされる。同社は技術開発および企業連携を通じて回収・リサイクル体制を新たに構築し、東南アジアでの資源循環モデルの確立を目指す。

王子グループは「中期経営計画 2027」でサステナブルパッケージ事業を重点領域に位置付けており、今回の工場建設を同領域拡大の中心施策とする。液体紙容器事業のさらなる拡大とともに、環境負荷低減への貢献も進める。

<新工場の概要>
建設予定地:ベトナム南部 ドンナイ省 アマタ・ロンタン工業団地
敷地面積:約57,000㎡
投資総額:約160億円
主要事業:液体紙容器用加工紙の製造販売
稼働時期:2028年3月頃(予定)

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