・第3四半期は米国関税の影響緩和し安定、輸出は2桁増を維持
中国液圧気動密封件工業協会(CHPSA)は11月13日、第3四半期の油圧・空気圧・シール部品業界の経済運営速報を公表した。米国の関税政策など外部要因の影響で第2四半期は変動したものの、第3四半期は生産・販売の動向が安定し、全体として良好に推移した。
■ 生産:シールが18.8%増とけん引、空気圧も14.8%増で好調
1〜9月の分野別生産額と伸び率(CHPSA統計)は以下の通り。
• 油圧:193億元(+7.7%)
• 流体動力機器:6億4,000万元(+6.2%)
• 空気圧:232億9,000万元(+14.8%)
• シール:208億4,000万元(+18.8%)
シール部品が2桁後半の伸びとなり、空気圧も高い伸び率を維持した。油圧は一桁台の伸びにとどまったが、前月比では改善基調にある。
■ 利益:1〜9月は9.7%増、業界収益性が改善
1〜9月の利益総額は前年同期比9.7%増。
前月比では1.8ポイントの改善が見られ、収益性の回復が進んだ。ただし協会は「回復基盤の強化はなお必要」としており、コスト面や外需環境には慎重な姿勢を示している。
■ 貿易:輸出が11.0%増と堅調、輸入は3.1%減
1〜9月の油圧・空気圧・シール製品の累計輸出額は50億7,000万米ドル(+11.0%)。米国向けの不確実性が続くなか、ASEANや新興市場向けが伸びたとみられる。
業界別輸出額:
• 油圧:22億5,000万ドル(+7.7%)
• 空気圧:15億3,000万ドル(+16.8%)
• シール:12億9,000万ドル(+10.6%)
一方、輸入額は45億2,000万米ドルで前年同期比3.1%減。
油圧(+11.1%)とシール(+5.7%)は増加したものの、空気圧は −8.4%と大幅減となった。
■ 業界見通し:関税要因の不透明さは残るが回復力を維持
協会は、第3四半期のデータについて「生産と経営は安定し回復力を維持した」と評価。一方、米国の追加関税や世界景気の減速懸念など不確実性を指摘し、企業に対し生産管理とリスク対応の強化を求めている。
より詳細な統計データは、協会統計部への申請で閲覧可能としている。