ワッカー・ノイソン、25年1~9月売上は5.6%減の16億2,520万ユーロ

・第3四半期(7〜9月)で収益性改善、需要低迷受け通期見通しを下方修正

ワッカー・ノイソングループ(Wacker Neuson Group):2025年11月13日

ミュンヘン、軽量・小型建設機械大手のワッカー・ノイソングループは、2025年1~9月期の決算を発表した。第3四半期(7〜9月)には欧州市場を中心に売上高と利益率が回復し、EBITマージン(利払い・税引き前利益率)は前年同期の4.8%から7.5%に上昇した。一方で、年初の需要低迷が響き、通期では減収減益の見通しとなり、業績予想を下方修正した。

ワッカーノイソン2025年第3 四半期データ 

1~9月期の売上高は16億2,520万ユーロで前年同期比5.6%減。EBITマージンは6.0%と前年の6.3%をわずかに下回った。営業活動によるキャッシュ・フローの改善により、フリー・キャッシュ・フローは1億1,580万ユーロと前年実績(9,150万ユーロ)を上回った。

地域別では、欧州(EMEA)が4.1%減の12億6,930万ユーロ。南欧・北欧・東欧の一部で持ち直しの動きがみられたが、全体としては第1四半期の落ち込みを補えなかった。米州は9.6%減の3億2,240万ユーロで、関税負担や地政学的リスクから販売が鈍化。アジア太平洋地域は21.0%減の3,350万ユーロと、オーストラリアと中国での需要減退が影響した。

同社は市場回復の遅れとコスト上昇を踏まえ、2025年度通期見通しを修正。売上高を21億5,000万~22億5,000万ユーロ(従来21億~23億ユーロ)、EBITマージンを6.5~6.8%(従来6.5~7.5%)とした。設備投資計画は8,000万ユーロに引き下げ、正味運転資本比率は年末時点で34%を見込む。

世界的には、主要市場で土木建設需要が前年を下回っており、特に米国とアジア太平洋地域では投資意欲の低下が顕著だ。欧州ではインフレ率の鈍化により回復基調がみられる一方で、公共投資や民間建設案件の再開は依然として限定的としている。

ワッカー・ノイソングループは世界約6,000人の従業員を擁し、「Wacker Neuson」「Kramer」「Weidemann」のブランドで製品を展開。親会社ワッカー・ノイソンSEはフランクフルト証券取引所プライム・スタンダードに上場し、SDAX構成銘柄となっている。

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