バルメット、台湾・正隆公司ホーリ工場向けに廃棄物発電ボイラーを供給

・廃棄物・バイオマス燃料に対応し、年間4万8,000トンのCO₂削減へ

バルメット(Valmet):2025年11月17日

バルメットは、台湾の製紙大手・正隆公司(Cheng Loong Corporation:CLC)が運営するホーリ(后里)工場向けに、循環流動層(CFB)方式の廃棄物発電ボイラーおよび排ガス処理設備、制御システム「Valmet DNA」を納入する。新設備は産業・都市系廃棄物やバイオマスを燃料として電力と熱を供給し、同工場の脱炭素化を大きく進める投資となる。

 今回の導入により、同工場は石炭使用量を削減し、既設の老朽廃棄物ボイラーを置き換える。CLCによると、新ボイラーの稼働後には年間約4万8,000トンのCO₂排出削減が見込まれる。

■正隆公司「台湾最大級のバイオマス・コージェネ拠点に育てる」

正隆公司のチャールズ・チャン社長は、「バルメットとともに台湾最大級のバイオマス・エネルギーコージェネレーションシステムを構築する。ホーリ工場では非化石燃料比率を30%以上に高めることが可能となり、同工場内の固形廃棄物も効率的に処理できる。バルメットはバイオマスおよび廃棄物発電技術に実績があり、台湾でのサポート体制も含め信頼に足るパートナーだ」と述べている。

■多様燃料に対応、発電効率も向上

 納入されるValmet CFBボイラーは、産業廃棄物・都市ごみ系燃料(RDF、SRF、TDF)に加え、バイオマスにも対応する高い燃料柔軟性を備える。高温・高圧スチームで運転することで、従来型廃棄物焼却技術と比べ、廃棄物燃料からの発電効率向上が可能となる。

 また、排ガス処理はプレセパレーター、乾式処理、添加剤噴射、バグフィルター、SCR(選択触媒還元)を組み合わせ、低排出を実現。制御には最新DCS「Valmet DNA」が採用され、操作性・サイバーセキュリティも強化される。

 バルメットのNiina Ollikka ボイラー&ガス化炉ソリューション担当副社長は、「当社のボイラー技術、排ガス処理、オートメーションを統合し、高い性能と柔軟性を提供する案件となった。研究開発および過去案件で蓄積した経験により、多様で難処理な燃料への対応力を発揮できる」とコメントした。

 なお、本案件は2025年第4四半期の受注に計上され、受注金額は非開示。

<プロジェクト概要>
案件名:台湾・正隆公司ホーリ工場向け廃棄物発電ボイラー供給
発注者:正隆公司(Cheng Loong Corporation:CLC)
供給者:バルメット(Valmet)
設備:Valmet CFBボイラー、排ガス処理設備、制御システム(Valmet DNA)
燃料:産業系・都市系廃棄物(RDF/SRF/TDF)、バイオマス
燃料処理能力:107 MW
特徴:高効率運転、低排出、燃料柔軟性
主効果:年間約4万8,000トンのCO₂削減、石炭使用量削減、廃棄物処理効率向上
位置:台湾・台中市 后里区
受注時期:2025年第4四半期
金額:非開示

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