【余談】大成建設、OpenAIと連携し、建設業界最大規模の育成・業務改革へ

・生成AI活用の全社プロジェクトを開始

大成建設は11月17日、生成AIによる人財育成と業務改革を目的とした全社プロジェクトを開始したと発表した。国内の総合建設会社として初めてOpenAI(オープンエーアイ)と連携し、法人向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise(チャットジーピーティー・エンタープライズ)」を本格導入。建設業界では最大規模となるAIスキル育成施策として注目される。

同社は4月から育成プログラムをスタートし、当初250名で始めた研修は8月時点で1,000名規模に拡大。生成AIを使いこなす人財を育成し、設計・施工・営業支援など幅広い領域で業務変革と生産性向上を図る。

■実務に直結する育成と伴走支援

研修は基礎から応用まで体系化し、日常業務でAIを自然に使えるスキル定着を目指す。OpenAI Japanとの連携のもと、集合研修やワークショップを通じて業務ごとの「カスタムGPT」構築も支援。社員がAIを“相棒”として使える環境づくりを進めている。

導入後3か月のアンケートでは、受講者満足度4.20、活用意欲4.51(ともに5点満点)と高評価。業務削減効果は平均週5.48時間に達し、250名換算で年間6.6万時間の削減効果が生まれている。特定業務で「7~8割の時間削減」を実感する例も出ているという。

■全社展開へ段階的に拡大

同社は今後、ChatGPT Enterpriseの利用対象を全社員に広げる方針。各部門でAI導入を支援するリーダー人財を育成し、AI活用文化を定着させることで、人的資本経営の強化と業務改革を継続的に推進する考えだ。

■両社トップコメント

相川善郎社長は「生成AIを使いこなす力は当社の競争力の基盤となる。現場からオフィスまでAIが自然に根付く環境づくりを進める」と述べた。

一方、OpenAI Japanの長﨑忠雄社長は「大成建設様の取り組みは、日本企業における生成AI活用の実践モデルとなる。未来の働き方を切り拓く意義深い挑戦」と評価した。

大成建設は、生成AIを活用した人財育成と業務改革を基盤に「TAISEI VISION 2030」の実現を加速し、組織の持続的成長を目指すとしている。

ニュースリリース