・CO2分離回収設備・海洋設備のFEED業務を担当へ
日鉄エンジニアリング(東京都品川区)は11月13日、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が推進する「先進的CCS事業」において、首都圏CCSプロジェクト関連の基本設計業務(FEED)を受注したと発表した。
今回の受注は、日本製鉄からのCO2分離回収設備FEED業務、および首都圏CCS(千葉市)からの海洋設備FEED業務の2件。両案件は、2030年度までのCO2貯留開始を目指すJOGMECの委託調査業務の一環として採択されたものである。
■CCSバリューチェーン全体をカバー
日鉄エンジは、エネルギー・海洋資源開発分野で培った技術を基盤に、CO2分離回収技術「ESCAP®」をはじめ、輸送・液化・貯蔵・圧入・海底貯留に至るまで、CCSバリューチェーン全体をワンストップで提供できる体制を整えている。ESCAP®は従来技術比で熱消費量を43%低減する高効率性を特徴とし、国内では製鉄所や火力発電所向けに商業機の実績を持つ。
■社会実装へ向けた取り組み強化
同社は「CCSの社会実装に向けた取り組みを強化し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく」とコメント。今回の受注は、国内CCS事業の加速に向けた重要なステップと位置づけられる。
<受注案件一覧> 案件名/発注者
CO2分離回収設備FEED業務/日本製鉄
海洋設備FEED業務/首都圏CCS
■背景
JOGMECは2024年度より、CCSコストや地下貯留に係る不確実性低減を目的とした「先進的CCS事業に係る設計作業等」の公募を開始。重点支援対象として採択された事業の一つが首都圏CCSであり、今回の日鉄エンジの受注はその具体化を担うものとなる。