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千代田化工建設、東京都水素実装課題解決事業に参画

・非開放検査技術で水素ステーションの維持管理コスト低減へ

千代田化工建設は11月12日、東京都が公募した「東京における水素実装課題解決技術開発促進事業」に採択されたと発表した。水素ステーション(以下、水素SS)の運営コスト低減を目的に、同社が開発した蓄圧器向け非開放検査手法の社会実装を進める。

■水素社会普及のボトルネック

水素SS事業者にとって、蓄圧器の開放検査や交換に伴う費用負担は大きく、設備停止による稼働率低下も課題となってきた。こうしたコスト構造は、燃料電池自動車(FCV)の普及を阻害する要因となり、商用大型車(HDV)への展開にも影響を及ぼしている。

■非開放検査技術の導入効果

従来はファイバースコープを用いた目視検査が主流だったが、同社が開発したアコースティック・エミッション技術を活用する非開放検査手法により、設備稼働中の供用検査が可能となる。これにより、開放検査の省略が実現し、維持管理コストの削減と稼働率向上が期待される。

■実証と普及の取り組み

本事業では、東京都をはじめ燃料電池商用車導入の重点地域において、検査会社や認証機関と連携し、実施体制を構築。水素SS事業者や自治体への認知拡大を図りながら社会実装を推進する。さらに、同社のO&Mトータルソリューション「plantOS」の中核機能「O&M Mother」を活用し、全国展開を視野に入れた効率的かつ安全な水素SS運用を目指す。

■企業パーパスとの連動

千代田化工建設は「社会のかなえたいを共創する」というパーパスのもと、持続可能な社会の発展に貢献する姿勢を強調。今回の取り組みは、水素社会の基盤整備に直結する技術革新として、業界内外から注目を集めている。

ニュースリリース

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