日精エー・エス・ビー機械、25年9月期売上は18.7%増の437億円、26年9月期予想は7.2%増の468億円

日精エー・エス・ビー機械が11月12日に発表した2025年9月期(2024年10月から2025年9月)連結業績によると、売上高は437億円(前期比18.7%増)と通期として過去最高を記録した。主力の中小型機に加え、大型機(日本向けPF36シリーズ)の販売を伸ばしたことが大きく寄与した。利益面では、主に増収効果により、売上総利益は206億円(同18.4%増)、営業利益は106億円(同34.6%増)と大幅増益となった。その結果、経常利益は109億円(同36.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益も77億円(同33.9%増)と大幅増益となり、各段階利益で通期として過去最高を記録した。(億円以下・四捨五入)

受注高は432億円(前期比5.0%増)と通期として過去最高を記録した。旺盛なプラスチック容器需要を背景に需要が堅調に推移した。一方、受注残高は173億円(前期末比6.4%減)と減少したものの、高水準を維持した。

日精ASB2025年9月期データ

■製品別売上状況
製品別の売上高状況については、全ての主要製品が前年同期を上回った。ストレッチブロー成形機は、堅調な中小型機に加え、大型機(日本向けPF36シリーズ)の出荷を伸ばした結果、225億円(前期比25.1%増)と通期として過去最高を記録した。金型は、旺盛なプラスチック容器需要を背景に、ほぼ全地域で受注を伸ばした。特に米州、欧州及びインドで好調に推移した結果、128億円(同8.9%増)と通期として過去最高を記録した。部品その他は、保守・サービスの需要が全世界で高まっており、ほぼ全地域で受注を伸ばした結果、57億円(同9.5%増)と通期として過去最高を記録した。容器・金型設計からアフターサービスまでを一貫して提供する同社のビジネスモデルの堅調さが改めて示された形となった。

■セグメント(地域)別売上高状況

米州は、米国政権の不透明な通商・関税政策を受け、中米市場は様子見状態が続いたものの、北米及び南米市場は旺盛な購買力を背景に好調に推移した。その結果、受注高は145億円(前期比12.7%増)、売上高は141億円(同16.5%増)と、それぞれ通期として過去最高となった。セグメント利益も増収効果等により25億円(同37.7%増)と増益となった。
欧州は、経済環境には不透明感が見られるものの、生活必需品に根差した同社製品の需要は底堅く、ビジネス活動は欧州全域で活発に推移した。その結果、受注高は97億円(前期比30.0%増)、売上高は81億円(同6.1%増)と、それぞれ通期として過去最高となった。セグメント利益も増収効果等により13億円(同25.8%増)と増益となった。
南・西アジアは、東南アジア市場は市況回復に時間を要しているものの、インド及び中東市場が好調に推移した結果、受注高は124億円(前期比8.6%増)、売上高は130億円(同21.1%増)と、それぞれ通期として過去最高となった。セグメント利益も増収効果等により31億円(同41.8%増)と増益となった。
東アジアは、中小型機の受注は堅調に推移したものの、前年同期にあった大口案件(日本向けPF36シリーズ)が剥落した結果、受注高は66億円(前期比29.8%減)と減少した。一方、売上高は前述の大口案件の出荷に伴い84億円(同34.1%増)と通期として過去最高となり、セグメント利益も増収効果によって70億円(同27.6%増)と増益となった。

■今後の見通し
2026年9月期連結業績は、売上高468億円(前期比7.2%増)、営業利益115億円(同8.1%増)、経常利益116億円(同6.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益81億円(同4.6%増)と予想している。

次期においては、米国の通商・関税政策や地政学リスクなどの不確実性を抱えつつも、世界経済は緩やかな成長を維持すると見込まれている。同社グループの属するストレッチブロー成形機業界においても、安全で衛生的なプラスチック容器の需要は底堅く推移することが見込まれ、加えて、気候変動やプラスチック環境問題などの社会課題への関心の高まりは環境対応技術に強みを持つ同社製品の需要を押し上げることが想定される。

同社は、業界のリーディングカンパニーとして、先進的な研究開発活動を継続するとともに、気候変動問題やESG経営などの社会課題に積極的に取り組むことで、中長期的な事業規模の拡大を図り、恒久的な存続を追求していく。技術面では、得意領域である非飲料容器分野において、主力製品である1ステップ機の競争力向上に取り組むほか、戦略領域である飲料容器分野においては、同社独自技術の開発強化に取り組んでいく。営業面では、ASBシリーズやPFシリーズ等の強固な製品競争力を武器に、市場シェア拡大に取り組んでいく。生産面では、中長期的な事業規模の拡大に備え、生産能力の増強を図るとともに、原価低減・納期短縮に取り組むことで、関税リスク等の外的要因に柔軟に対応していく。管理面では、持続可能な社会の実現に向け、引き続きESG経営を積極的に推進していく。

日精エー・エス・ビー機械の2025年9月期決算短信
補足資料