ダンフォス (Danfoss):2025年11月10日
デンマークのノードボーでダンフォスパワーソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は11月10日、農業用トラクターの主ポンプライン向けに開発した新型油圧ホース「Aeroquip(エアロクイップ)GH888メインポンプホース」を発表した。従来の4層スパイラルホースに代わる2層ブレード構造を採用し、柔軟性の向上、軽量化、耐熱性の強化、そして総保有コスト(TCO)の低減を実現したとしている。
■柔軟性・耐圧・軽量化を同時に実現
GH888ホースは、新開発の複合インナーチューブを採用。チューブの安定性を高めることで耐久性と耐圧性能を強化した。この特許出願中の設計により、呼び径12(3/4インチ)で最大350バール、呼び径16(1インチ)で最大300バールの圧力に対応可能。従来、EN856 4SPやSAE 100 R12/R13規格の4層スパイラルホースが必要とされていた用途に対応できる性能を、2層構造で実現した。
また、GH888ホースは4層スパイラルホースに比べて最大24%の曲げ力低減を達成。狭いエンジンルームでの取り回し性が向上し、設計自由度を高めるとともに、組立作業者の負担軽減や安全性向上にも寄与する。さらに、重量も最大15%軽量化されており、車両全体の軽量化や燃費改善、土壌圧の低減といった効果が期待される。
■コスト面でも優位性
GH888ホースは性能だけでなく、コスト面でも4層ホースに比べて優位性を持つ。建機・農機メーカーは部品コストの削減が可能となり、ユーザーである農業従事者にとってもTCOの削減につながるという。
ダンフォスパワーソリューションズのゴム油圧ホース&フィッティング部門 グローバルプロダクトマネージャー、サリフ・カラヤギズ(Salih Karayagiz)氏は次のように述べている。
「Aeroquip GH888ホースは、圧力性能と柔軟性の理想的なバランスを実現しています。4層スパイラルホースに求められる圧力条件を満たしながら、2層構造による柔軟性とコストメリットを兼ね備えており、特に小型トラクターを含む幅広い農業機械に最適です。」
ダンフォスは、11月にドイツ・ハノーバーで開催される世界最大の農業機械展示会「Agritechnica」のホール16・A20ブースでGH888ホースを出展し、各種油圧ホースおよびフィッティング製品群を紹介する予定。
<製品概要>
項目:Aeroquip GH888メインポンプホース/メーカー:ダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)/用途:農業用トラクター主ポンプライン/構造:2層ブレード油圧ホース/耐圧:350バール(呼び径12)、300バール(呼び径16)/特長:高柔軟性・軽量・耐熱・低TCO/展示:Agritechnica(ハノーバー)ホール16、ブースA20
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