ダンフォス、低電圧電動モータ「EM-PMI180」を発表

・コンパクト電動建機の油圧機能を高効率で駆動、過酷環境にも対応

ダンフォス (Danfoss):2025年11月10日

デンマークのダンフォスパワーソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は、同社Editronブランドより、48V対応の低電圧電動モータ「EM-PMI180」を発表した。コンパクトな電動建設機械における油圧機能の駆動用途を想定し、堅牢性と高効率を両立した設計が特徴だ。

■製品概要:IP67準拠の堅牢設計、塩水噴霧試験で耐腐食性を実証

PMI180は、モータ本体およびコネクタ部においてIP67の防塵・防水性能を備え、粉塵や水分の侵入を防止。さらに200時間の塩水噴霧試験により耐腐食性も確認されており、建設現場などの過酷な環境下でも長寿命な運用が可能とされる。

■技術特性:7kW出力・最大トルク90Nm、ギアポンプ接続に対応

本モータは48V DCで定格出力7kW、定格回転数3,000rpm、最大回転数4,000rpmを実現。定格トルクは22.5Nm、最大トルクは90Nmに達する。標準ギアポンプインターフェースを備え、最大16cc・240barまでのポンプと接続可能。2026年には対応インバータ「EC-C48」の発売も予定されている。

■用途展開:MEWP向け駆動ソリューション「ED-DT180」もラインアップ

同社はPMI180に加え、48V駆動システム「ED-DT180 eDrive」も新たに製品群に追加する。これは高所作業車(MEWP)などのオフハイウェイ車両向けに、電動モータ・減速機・電磁ブレーキを一体化した駆動ユニットで、業界最小クラスのコンパクト設計を実現。2024年に投入された24Vシステムに続き、48V対応製品の拡充により、OEM各社は電動MEWPにおける駆動・作業機能の統合ソリューションを構築可能となる。

■今後の展望:低電圧領域の製品拡充で電動化を加速

ダンフォスパワーソリューションズのEditron Chinaにてアプリケーションエンジニアリングおよび製品ポートフォリオを統括するEric Wang(エリック・ワン)氏は、「当社は高電圧電動化ソリューションで知られてきたが、今後は24V・48V領域にも注力していく」と述べ、グローバルな製造・品質管理体制に裏打ちされた信頼性の高さを強調した。

なお、PMI180および関連製品は、独ハノーバーで開催される農業機械見本市「Agritechnica」(ホール16・ブースA20)にて展示予定。

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