カヤバ、25年4〜9月売上は8.1%増の2,308億円、通期予想を上方修正し4,600億円へ

・HC事業は3.3%増の601億円、通期予想1,194億円に上方修正

カヤバ(KYB)が11月12日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期、25年4〜9月)連結業績によると、建設機械向け油圧機器および自動車関連製品が比較的堅調に推移したことから、売上高は2,308億7百万円(前年同期比8.1%増)となった。知多鋼業の完全子会社化に伴う負ののれん発生益を認識したこと等により、営業利益は207億13百万円(前年同期比148.5%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は171億34百万円(同230.6%増)となった。

中間期における世界経済は、貿易摩擦の高まりによる下振れリスクに直面しつつも、米国の通商政策変更に伴う貿易の前倒しや各国での積極的な財政拡大もあり、想定よりも底堅く推移した。わが国経済は、個人消費の持ち直しに加え、堅調な設備投資の動きが見られるなど、総じて緩やかな回復基調で推移した。

■セグメント別の業績
(a) AC事業
同セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成。四輪車用油圧緩衝器は、国内および欧米でのOEM製品の販売増加等により、売上高は1,207億円と前年同期比11.2%増となった。二輪車用油圧緩衝器は、インド市場での需要減少があったものの、国内および欧州での受注が好調だったことにより、売上高は237億円と前年同期比11.9%増となった。

セグメント売上高は1,641億円と前年同期比10.9%増となり、セグメント利益は94億円と前年同期比16億円の増益となった。

(b) HC事業
同セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の輸出が欧米向けを主として比較的堅調に推移したことから、売上高は555億円と前年同期比2.1%増となった。

セグメント売上高は601億円と前年同期比3.3%増となり、セグメント利益は16億円と前年同期比8億円の増益となった。

(c) 航空機器事業
同セグメントは、航空機器用油圧機器から構成。販売製品の構成が変動したことに伴い、売上高は32億円と前年同期比123.5%増となり、セグメント利益は3億円と前年同期比8億円の増益となった。

(d) 特装車両事業及びその他
同セグメントは、特装車両等から構成。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、前年度にインドから事業撤退したことにより、セグメントの売上高は34億円と前年同期比42.0%減となったが、国内での販売は堅調に推移したことにより、セグメント利益は前年同期とほぼ同額の6億円を確保した。

■今後の見通し
2026年3月期(2025年度)の連結業績予想は、需要が想定を上回り堅調に推移していること、為替が想定より円安に推移していること、および米国における関税措置による影響額と最新の市場見通しを反映した結果、売上高および利益を上方修正した。売上高4,600億円(前期比4.9%増、前回予想比200億円増)、セグメント利益230億円(同16.0%増、前回予想比80億円増)、営業利益310億円(同36.7%増、前回予想比85億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益250億円(同67.8%増、前回予想比75億円増)を見込んでいる。

カヤバの2026年3月期第2四半期決算短信

第2四半期決算概要