三菱重工、トルクメニスタン最大級の肥料プラントEPC契約を締結

・GAP社と共同で2030年運転開始へ、CO₂回収装置も導入

三菱重工業は11月10日、トルコの建設会社GAP Insaat社(以下、GAP社)と共同で、トルクメニスタン国営化学公社トルクメンヒミヤ(Turkmenhimiya)向けに大規模アンモニア・尿素肥料製造プラントのEPC(設計・調達・建設)契約を締結したと発表した。起工式は11月2日、ベルディムハメドフ大統領の臨席のもと、同国北西部キアンリにて執り行われた。プラントは2030年の運転開始を予定している。

■年産能力200万トン超、周辺インフラも整備

本プロジェクトは、カスピ海沿岸のキアンリにおいて、トルクメニスタン最大規模となる肥料製造拠点を新設するもの。日産能力はアンモニア2,000トン、尿素3,500トンに達し、仮設桟橋や出荷設備などの周辺インフラも併せて整備される。三菱重工は基本・詳細設計、主要機器の調達、試運転を担当し、GAP社および三菱商事と連携してプロジェクトを推進する。

■CO₂回収技術を導入、環境負荷低減に寄与

本プラントには、三菱重工と関西電力が共同開発したCO₂回収技術「Advanced KM CDR Process™」を適用した装置が導入される。これにより、製造工程で発生するCO₂を効率的に回収し、環境負荷の低減と持続可能な生産体制の構築を図る。

■過去実績と技術力が評価、再びトルクメニスタンで受注

三菱重工は1958年の初納入以来、世界各地で肥料製造プラントを手がけており、トルクメニスタンでは2018年にガラボガス地区での納入実績を有する。同プラントは現在も安定操業を続けており、今回の受注はこうした実績とCO₂回収技術への高評価が背景にある。

トルクメニスタンは豊富な天然ガス資源を活用し、高付加価値製品の生産と輸出多角化を国家戦略に掲げている。本プロジェクトは、同国の経済成長と国際競争力強化に資する重要インフラとして期待されている。

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