リープヘル、ビーバーハ工場の生産設備を全面刷新へ

・2034年までに9桁台の投資、最先端クレーン工場を目指す

リープヘル (Liebherr):11月7日

タワークレーンおよび移動式建設クレーンの世界的メーカーであるリープヘル・ヴェルク・ビーバーハ社(Liebherr-Werk Biberach GmbH)は、2034年までにビーバーハ(Biberach)(リス(Riß))工場の大規模な近代化に9桁台(億単位)の投資を実施すると発表した。第1フェーズでは、数千万ユーロを生産設備の改修・拡張に投入する。これは、ドイツ国内の生産拠点と、高度な技術を持つ地域従業員への強いコミットメントを示すものだ。

■1954年から続く伝統工場を次世代仕様に

リープヘル(Liebherr)は1954年からビーバーハでクレーンを製造している。創業者ハンス・リープヘル氏(Hans Liebherr)が1949年に基礎を築いた同社は、現在150社以上を擁するグループに成長した。ビーバーハ工場は着実に発展を遂げ、最近では営業・管理棟と社員食堂を新設した。今回の近代化プロジェクトは、その次なるステップとなる。

リープヘルのタワークレーン製品部門開発・生産担当マネージングディレクターであるヴェルナー・ザイフリート氏(Werner Seifried)は、「ビーバーハに世界最先端のクレーン生産工場を建設する」と述べ、「市場は変化し、競争は激化し、顧客要求は高まっている。イノベーションで対応し、最先端リフティングソリューションの持続可能な市場リーダーになることが目標だ」と強調した。

■年間500台の旋回クレーン生産能力を確保

メミンガー通り(Memminger Straße)にある1980年代初頭に建設された生産棟の一部は解体・改修され、新築される。既存スペースを有効活用した持続可能な投資戦略により、年間約500台のトップスルーイングクレーン、200台以上の移動式建設クレーン、3,000本のタワーセクションを製造できる高度自動化生産施設を構築する。

新しい生産構造は、市場変化に柔軟かつ効率的に対応できるよう設計され、長期的な設備稼働率を確保する。次世代製品に対応したモジュール式生産により、開発・生産・品質管理がより密接に連携する。

ザイフリート氏は「通常業務を継続しながら、未来に対応した新しい拠点を開発している。建設工事中も、顧客は従来通りのリープヘル品質に信頼を寄せることができる」と語った。

■環境配慮と従業員重視の設備投資

今回の投資により、リープヘルは地域の製造基盤を強化し、経済力と社会的責任を結合させる。同社は欧州の気候目標とESG(Environmental, Social and Governance)基準に断固としてコミットしており、エネルギー効率の高い新築と資源節約型生産プロセスが計画の重要な要素となっている。
 
新しい生産環境では、従業員向けに近代的で人間工学的なワークスペース、新技術、デジタルプロセスを備えた魅力的な労働環境を創出する。すでに自動溶接ロボット、インテリジェントロボット搭載のエッジ丸め加工システム、新しい金属加工センター、組立用アシスタンスシステムなどへの投資が実施されており、これらの機械は稼働中で、新しい生産環境にシームレスに統合できる。

■グローバルネットワークを戦略的に統合

既存の国際的なタワークレーン生産拠点も戦略的に統合される。スペインのパンプローナ(Pamplona)工場はボトムスルーイングクレーンの生産に、インドのプネ(Pune)工場は価格重視市場向けトップスルーイングクレーンの生産に集中する。

タワークレーンセンター(Tower Crane Centre)は、バート・ヴァルトゼー(Bad Waldsee)からバート・シュッセンリート(Bad Schussenried)のリープヘル拠点に移転し、レンタル・修理の新センターおよびテストエリアが建設される予定だ。バート・ヴァルトゼーの空いたスペースは、近代化工事中の物流拠点として活用される。

ビーバーハ工場の近代化は5段階で実施され、2034年に完了予定。ビーバーハ工場のタワークレーン生産担当マネージングディレクター、ミヒャエル・ヴァイスシェーデル氏(Michael Weißschädel)は、「ビーバーハには数十年の経験、有資格専門家、信頼できるパートナーがいる。投資により新しい能力だけでなく、最高の品質と安全基準を備えた最先端インフラが実現する」と述べた。

11月初旬の従業員向け説明会で、VDMAバーデン=ヴュルテンベルク州(VDMA Baden-Württemberg)のディートリッヒ・ビルク理事(Dr Dietrich Birk)は、「リープヘルのバーデン=ヴュルテンベルク州へのコミットメントは強いメッセージだ。グローバルな変革期において、この投資プロジェクトは競争力、持続可能性、地域責任を成功裏に組み合わせた好例だ」と評価した。​​​​​​​​​​​​​​​​

ニュースリリース