ダンフォス、開回路ピストンポンプ「X1P」が2025年LEAPアワードを受賞

ダンフォス(Danfoss):2025年11月6日

デンマーク・ノードボー、ダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)の開回路ピストンポンプ「X1P」が、米国WTWH Media主催の「2025年リーダーシップ・イン・エンジニアリング・アチーブメント・プログラム(LEAP)アワード」において、油圧・流体技術部門の金賞を受賞した。LEAPアワードは、米誌『Fluid Power World』および『Design World』の編集部により運営され、全11部門で優れた製品・部品設計の技術革新を表彰するもの。X1Pポンプは、独自のスワッシュプレート構造による業界トップクラスのパワー密度が評価された。

X1Pポンプは、中出力クラスの建設機械や産業車両向けに設計されたモデルで、コンパクトながら高性能・高効率を実現している。設計面では操作性、耐久性、静粛性、サステナビリティを同時に高める工夫が施されている。

同ポンプは、独自のスワッシュプレート構造とローラーエレメント式クレードル軸受(特許出願中)を採用しており、同クラス製品と比べて最大25mmの短縮を達成。市場で最も短い75cc・280bar仕様ポンプとなっている。さらにヒステリシスを最大80%低減し、滑らかで正確な油流制御を実現。制御部の構造改良により、漏れ箇所を減らし、寿命も向上させた。

ダンフォス・パワー・ソリューションズの開回路ポンプ部門 グローバル製品ポートフォリオマネージャー、ヴィンス・エワルド(Vince Ewald)氏は次のように述べている。
「この度、全く新しい軸ピストンポンプ『X1P』でLEAPアワード金賞を受賞できたことを光栄に思います。性能とパッケージングの両面で革新を実現した成果が高く評価されたものです。操作性と環境配慮の両立を目指したこの製品は、75ccクラス最小の筐体で高性能と高出力密度を両立する“次世代の主力機”と言えます」。

同製品は、既存部品を活用して環境負荷と廃棄物を削減する設計思想を採用。信頼性の高い制御機構や軸、軸受、回転ユニットをベースに構成され、累計数百万時間におよぶ実績に裏付けられた耐久性を有する。摩擦点の少ない構造により、再製造時の部品交換点数も削減でき、循環型設計にも配慮している。

ダンフォスでは、今後X1Pポンプに向けた新たな制御オプションの追加も予定しており、機械用途や顧客ニーズに応じた柔軟な対応力をさらに強化する考えだ。

■記事ポイント
・受賞部門:2025年LEAPアワード(油圧・流体技術部門)
・評価理由:独自スワッシュプレート構造による高パワー密度・高効率設計
・用途:中出力モバイル機械向け(75cc・280bar)
・特徴:ヒステリシス80%低減、最短クラス筐体、環境配慮型再製造設計
・今後の展開:高度制御オプションを追加予定

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