ダンフォス、メキシコ・モンテレイ工場を大幅拡張、北米・中南米の空調機器需要増に対応し供給体制を強化

ダンフォス(Danfoss):2025年11月5日

デンマークのダンフォスは11月5日、メキシコ・モンテレイ(Monterrey)工場の拡張完了を記念し、現地で開所式を開催した。北米および中南米におけるエネルギー効率の高い空調(HVAC)機器需要の拡大を受けたもので、今回の拡張により同工場の生産能力は2倍以上に増加した。

同社は2030年に向けた成長戦略「LEAP 2030」の一環として、納期短縮とサプライチェーンの強化を進めており、今回の投資はその中核施策と位置づけられる。開所式にはアポダカ(Apodaca)市長のセサル・ガルサ・アレドンド(Cesar Garza Arredondo)氏や、デンマークの駐メキシコ大使キム・ホイルンド・クリステンセン(Kim Højlund Christensen)氏、主要顧客、従業員らが出席。キム・ファウシング(Kim Fausing)CEOや、ダンフォス クライメートソリューションズ(Danfoss Climate Solutions)社長のクリスチャン・ストランド(Kristian Strand)氏ら経営陣がテープカットを行った。

ストランド氏は、「モンテレイ工場の拡張は、LEAP 2030戦略に基づき顧客に最も近い場所で技術パートナーとして選ばれるという当社の目標を具現化したものだ。今回の投資により、米国市場の顧客により迅速かつ柔軟に対応できる体制が整った」と述べた。さらに「今年、米国市場では二桁成長を達成しており、顧客の成長とサステナビリティ目標の達成を支援する責務を強く感じている。メキシコでの生産能力拡大によって、連携強化と供給網のレジリエンス向上を通じ、より大きな価値を提供できる」と語った。

拡張されたモンテレイ工場は、将来的な増産にも対応できる設計で、LEEDシルバー認証を取得している。また、コンプレッサー試験ラボも従来の500㎡から1,000㎡へと倍増された。今回の拡張は、ダンフォスがメキシコで生産を開始してから30周年の節目にあたり、同拠点では過去4回目の増設となる。現在、モンテレイ工場では約1,400人が勤務し、同国における中核拠点となっている。

<プロジェクト概要>
所在地:メキシコ・モンテレイ(ヌエボレオン州アポダカ)
内容:工場拡張(生産能力を2倍以上に増強)
目的:北米・中南米市場のHVAC機器需要拡大に対応
投資額:約1億ドル(過去4年間のメキシコ全体投資額)
特徴:LEEDシルバー認証取得、コンプレッサー試験ラボを1,000㎡へ拡張
従業員数:モンテレイ拠点 約1,400人/メキシコ全体 約3,000人
その他:メキシコ国内にモンテレイ、ケレタロ、レイノサなど6拠点を展開

■補足説明:ダンフォスは、メキシコ国内に3事業分野(クライメートソリューションズ、ドライブズ、パワーソリューションズ)にまたがる6つの生産拠点を有し、総面積は17万㎡に及ぶ。これらの拠点は北米市場へのアクセス性と地理的分散を重視して配置されており、同国はダンフォスの米州事業における生産・供給の重要拠点として位置付けられている。

同社は今後も、米国通商政策が掲げるサプライチェーン強靭化の4要素(持続可能性・安全性・多様性・透明性)に沿った体制強化を推進していく方針。

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