・「社会のレジリエンスを共創する企業へ」無人化・省人化製品の開発を加速
古河機械金属は11月7日、2026年度から2035年度までを対象期間とする長期ビジョン「Vision F 2035」を策定したと発表した。創業150周年を迎える2025年を節目として、企業理念を改定するとともに、今後10年間の成長戦略の方向性を明確化した。
■社会基盤の進化に対応
同社グループは「社会のレジリエンスを共創する企業へ」を長期ビジョンとして掲げ、環境問題の深刻化や人口構成の変化、技術革新の加速に対応したインフラ整備を支援していく方針。
事業戦略では「社会基盤の進化」を目標に、環境と社会の二つの領域で重点分野を設定。環境領域では、河川改修やダム建設等による防災・減災への貢献、電動化・省エネ製品の開発による地球温暖化抑止、廃棄物の再資源化を通じた循環型経済の実現などに取り組む。
社会領域では、労働力不足への対応として無人化・省人化製品の開発と提供を推進。環境対応型搬送設備によるインフラ工事の促進や、地域特性に応じた都市整備に貢献する。また、IoTを活用したサポートシステムによるカスタマーサクセスの実現にも注力する。
■経営基盤の拡充を図る
経営基盤の強化では、人材基盤の進化、財務基盤の深化、ガバナンスの強化の3つを柱とする機能戦略を展開する。
人材基盤では、研修教育の実施や働きやすい就業環境の整備、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進などを通じて、組織の活性化を図る。
財務基盤では、営業・生産・物流工程全体の効率化を通じた運転資本削減に取り組み、売掛債権の早期回収促進や在庫圧縮によりキャッシュフロー創出力を強化する。また、配当政策の強化や自己株式取得による資本コストの最適化も推進する。
同社は、マーケティング経営の進化を通じた顧客起点の価値創造と、技術力・人材力・財務力の強化により、社会的責任を果たしつつ持続的成長を実現するとしている。
なお、新中期経営計画は2026年5月に発表する予定。