三菱重工業は11月7日、2026年3月期(2025年度)第2四半期(4〜9月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比7%増の2兆1,137億円となり、順調に推移した。通期の業績予想は、受注高を8,500億円上方修正し6兆1,000億円(前期比4.8%減)とした一方、売上収益は500億円増の4兆8,000億円(同10.1%増)に引き上げた。事業利益は3,900億円で据え置いている。
■2025年度第2四半期決算概要
受注高: 3兆3,147億円(前年同期比9%増)。「エナジー」が大幅増加し、GTCCは主に北米、アジアで受注が好調だった。「プラント・インフラ」「航空・防衛・宇宙」は大型案件を受注した前年同期と比べると減少したが、引き続き高水準の受注高を確保。受注残高は11兆4,983億円と、前期末から1兆2,620億円増加した。
売上収益: 2兆1,137億円(同7%増)。「エナジー」「プラント・インフラ」「航空・防衛・宇宙」の3セグメントで前年同期比増収。主な事業別では、GTCC、防衛・宇宙が売上収益を大きく伸ばした。
事業利益: 1,715億円(同2%増)。「プラント・インフラ」「物流・冷熱・ドライブシステム」「航空・防衛・宇宙」の3セグメントで前年同期比増益。GTCC、製鉄機械、防衛・宇宙が事業利益を大きく伸ばす一方、火力事業の一部工事における損失や前年同期の土地売却のリバウンド等もあり、全体では微増となった。
当期利益(親会社の所有者に帰属): 1,149億円(同7%増)。事業利益の増加に加え、前年同期に計上した為替差損のリバウンドにより、前年同期比増益となった。
キャッシュ・フロー: フリー・キャッシュ・フローは1,510億円(前年同期比2,368億円改善)、営業キャッシュ・フローは2,079億円(同2,167億円改善)と大幅に改善した。
■セグメント別動向
・エナジー: 受注高1兆9,812億円(前年同期比52%増)、売上収益8,710億円(同5%増)、事業利益807億円(同22%減)。GTCCは採算改善等により増益となったが、スチームパワーで南アフリカ等の工事損失を計上し、セグメント全体では減益。受注、売上について進捗状況を踏まえ通期見通しを上方修正した。
・プラント・インフラ: 受注高4,906億円(同18%減)、売上収益4,159億円(同10%増)、事業利益446億円(同59%増)。製鉄機械、機械システムが増収増益。事業利益の通期見通しを600億円から700億円に上方修正した。
・物流・冷熱・ドライブシステム: 受注高2,928億円(同11%減)、売上収益2,824億円(同7%減)、事業利益76億円(同23%増)。エンジン、ターボチャージャが増益となった一方、冷熱は販売台数減少と為替影響で減収減益。通期見通しを下方修正した。
・航空・防衛・宇宙: 受注高5,450億円(同32%減)、売上収益5,388億円(同25%増)、事業利益603億円(同37%増)。防衛・宇宙は順調な工事進捗により増収増益。民間機は主に787の出荷機数増加により増収増益となった。
■2025年度通期見通し
受注高: 6兆1,000億円(前回見通し比8,500億円増)。エナジーセグメントで1兆円の大幅増を見込む。
売上収益: 4兆8,000億円(同500億円増)。エナジーで1,500億円の増収を見込む。
事業利益: 3,900億円(据え置き)
当期利益(親会社の所有者に帰属): 2,300億円(据え置き)
配当: 年24円(中間12円/期末12円、前回据え置き)
想定為替レート:1ドル=145円、1ユーロ=165円。
詳細は、2026年3月期第2四半期決算説明資料を参照。
・補足事項
同社は2025年9月30日に三菱ロジスネクスト株式会社の非公開化に係る契約締結を発表。これに伴い、今決算より同社及びその子会社・関連会社に係る事業を非継続事業に分類し、継続事業のみの数値を表示している。
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