・アルミ厚板切断ライン増設で供給能力30%拡大へ
・半導体・FA需要の拡大に対応し、生産体制を再構築
非鉄金属の切断・切削加工を手がけるシンクスコーポレーション(神奈川県愛甲郡)は10月30日、神奈川県内の製造拠点において新たに第四工場を建設し、大・中型アルミ厚板の切断ラインを増設すると発表した。総投資額は約9億円で、2026年中の稼働開始を予定。これによりアルミ厚板の供給能力を従来比30%増強する。
■半導体・FA向け需要の高まりに対応
同社が供給するアルミやステンレスの切断品、フライス加工品は、半導体製造装置やFA(ファクトリーオートメーション)分野の部材として使用されている。今後3年間で15〜20%の市場成長が見込まれる中、特に半導体関連需要の回復により、中・大型アルミ厚板の需要拡大が予想されている。現行体制では供給力に制約があるため、生産ラインの増強と工場機能の再編を決定した。
■4工場合同による最適生産体制へ
現在、神奈川の製造拠点では、第一工場でアルミ厚板、第二工場でステンレス板、第三工場でアルミ丸棒をそれぞれ加工している。新設の第四工場は第三工場の在庫・切断機能を引き継ぎ、第三工場には第一工場から小型切断機やフライス加工機を移設。これにより第一・第三工場の2拠点体制でアルミ厚板の生産を強化し、大・中型品の生産能力を従来の1.3倍に引き上げる。
■関西拠点も含めた供給体制を強化
同社は今回の投資に加え、神戸市東灘区の関西工場でも人員確保とスキル向上を進め、全社での供給能力を現行比1.5倍に拡大する方針。国内アルミ厚板市場でのシェア30%獲得を目指し、需要増が見込まれる半導体装置や自動化関連分野への安定供給体制を確立していく考えだ。
<プロジェクト概要>
所在地:神奈川県内(既存3工場の隣接地)
新工場名:第四工場
土地面積:1,736㎡
延床面積:1,049㎡
投資額:約9億円
増設設備:大・中型アルミ厚板切断ライン1基、クレーンなど付帯設備
生産能力増加:アルミ厚板供給能力30%アップ(大・中型加工能力1.3倍)
稼働予定:2026年(予定)