クボタ、25年1~9月売上は3.2%減の2兆2,043億円、北米市場の低迷が響く

クボタが11月7日に発表した2025年12月期第3四半期(1~9月)連結決算によると、売上高は前年同期比3.2%減の2兆2,043億円となった。主力の機械部門で北米を中心に販売が減少し、全体を押し下げた。国内売上高は機械部門や水・環境部門の伸長により同9.8%増の5,019億円となった。一方、海外売上高は北米での機械販売不振により同6.5%減の1兆7,024億円となった。営業利益は、米国関税の影響によるコスト増や販売構成の悪化を受けて同22.0%減の2,147億円。税引前利益は同20.9%減の2,278億円、四半期利益は同23.7%減の1,661億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は同28.3%減の1,420億円となった。

■部門別概況
<機械部門>
 売上高は同4.5%減の1兆9,272億円で、全体の87.4%を占めた。国内は農業機械・関連商品の増加で同13.5%増の2,661億円と堅調に推移したが、海外は同6.8%減の1兆6,611億円と落ち込んだ。
 地域別では、北米は建設機械が前年の在庫充足の反動により販売が減少。トラクタも市場の減速で販売が減少したものの、レジデンシャル市場では回復の兆しが見られ、畜産関連の作物価格の安定により農用市場も堅調に推移している。
 欧州では、トラクタ市場の回復が遅れ販売は減少したが、建設機械は市場が底を打ち販売は増加に転じた。
 アジアでは、タイは作物価格の低迷により稲作・畑作市場ともに縮小し販売も減少。一方、インドでは十分な貯水量と収穫量により市場は好調に推移し、トラクタの販売が増加した。
 セグメント利益は、米国関税の影響によるコスト増加をインセンティブの削減と追加値上げで対応したものの、主に北米での減販損や販売構成の悪化により同25.4%減の2,165億円となった。

<水・環境部門>
 売上高は同6.8%増の2,653億円。国内は環境事業を中心に各事業で売上が増加し同6.4%増の2,240億円、海外は産業機材事業の伸びで同8.7%増の412億円だった。セグメント利益は値上げ効果や増販益により同79.5%増の248億円と大幅増益となった。

<その他部門>
 売上高は同4.9%減の118億円、セグメント利益は同30.3%減の8億円となった。

■通期見通しは据え置き
2025年12月期通期の連結業績予想については、前回発表(8月5日)から変更していない。売上高は2兆8,800億円(前期比4.5%減)、営業利益は2,200億円(同30.3%減)、税引前利益は2,360億円(同29.6%減)、親会社帰属当期利益は1,420億円(同38.4%減)を見込む。為替前提は1ドル=145円、1ユーロ=161円としている。
機械部門では、北米市場の回復ペースが鈍い中、コスト管理の徹底と製品構成の改善により収益性の確保を図る方針だ。

クボタの2025年12月期第3四半期決算短信

第3四半期決算説明資料