ダンフォス、新型マイクロコントローラ「CAN 2 Current」を発売 ― バルブ・ポンプ制御を高精度化

ダンフォス(Danfoss):2025年11月4日

デンマークのダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は11月4日、ソレノイドに直接取り付けて使用する新型マイクロコントローラ「CAN 2 Current(C2C)」を発表した。C2Cは、同社のカートリッジバルブ、油圧統合回路(HIC)、ハイブリッド型PVG/HICバルブ、オープンサーキットポンプなどに対応し、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスに接続することで、高精度かつ効率的な作動制御と容易な診断を実現する。

C2Cは高性能・高信頼性のデバイスで、CAN通信を通じて1または2系統の出力に対しクローズドループ電流制御を行う。オン/オフおよび比例ソレノイドの両方に対応し、シングルチャンネル(1コイル制御)とデュアルチャンネル(2コイル順次制御)の2タイプを用意。通信規格はISOBUSおよびSAE J1939に準拠している。

省エネ面では、ピーク・アンド・ホールド制御技術を採用。保持フェーズにおける電流を必要最小限に抑えることで、例えばクランプなどの保持動作時に最大70%のエネルギー削減を実現する。これにより冷却負荷を低減し、バッテリー駆動機械ではバッテリー容量を削減できる可能性もある。

筐体はコンパクトかつ堅牢に設計されており、樹脂封止構造により防塵・防振性を確保。防水防塵性能はIP67を満たし、建設機械や農業機械などの過酷なオフハイウェイ環境での使用にも耐える。

さらに、C2CはCANバス経由でバルブやポンプと通信するため、診断作業を大幅に簡素化。機械コントローラとのリアルタイム通信により、キャビン内ディスプレイに状態メッセージを表示でき、ソレノイドの不具合を手動で確認する必要がなくなる。

ダンフォス・パワー・ソリューションズのグローバル製品ポートフォリオマネージャーであるマイケル・ハートマン・アンドレセン(Michael Hartmann Andresen)氏は次のように述べている。
「CAN 2 Currentの追加により、当社のクローズドループ電流制御アクチュエータポートフォリオはさらに充実しました。CANバスの利点を活かした完全なサブシステムを提供できることを誇りに思います。今後も市場で最も強力なアクチュエータプラットフォームの構築を目指し、CAN対応アクチュエータの拡充を続けていきます。」

C2Cは迅速で簡単な設定が可能で、同社のアクチュエータ製品群で共通の設定方式を採用。PVE構成を含む各種バルブソリューションに適用でき、「PLUS+1(プラスワン)® Service Tool」上で通信時間ガード、ディザ、最小・最大電流、保持電流などのパラメータを設定できる。

ダンフォス・パワー・ソリューションズは、C2Cをはじめとするクローズドループ電流制御アクチュエータ群を通じ、油圧機器分野でのエネルギー効率向上と制御技術の高度化を推進していく方針を示している。

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