・営業利益は前年同期比291%増の809億ウォン
・主要地域での需要回復と価格改定、製品・地域ミックス改善が収益性を大幅向上
・エンジン事業は発電・防衛分野が好調で、営業利益率16.9%の高水準を維持
*1ウォンは約0.11円。
HD現代インフラコア (HD Hyundai Infracore):2025年10月29日
HD現代インフラコアは2025年10月、2025年第3四半期の決算を発表し、売上・利益ともに前年同期比で大幅な成長を達成したことを明らかにした。同社の第3四半期売上高は1兆1,302億ウォンで、前年同期比24.2%増となった。この成長は、建設機械部門における主要地域での需要回復と、エンジン部門の安定的なパフォーマンスによってもたらされた。営業利益は前年同期比290.9%増の809億ウォンを記録。価格改定の効果に加え、地域・製品ミックスの改善が利益を大きく押し上げた。営業利益率は7.2%となり、前年同期の2.3%から4.9ポイント改善した。
事業部門別に見ると、建設機械部門の売上高は前年同期比30%増の8,543億ウォン。新興市場と先進市場の両方で需要が回復し、販売が大幅に増加した。地域別では、新興市場・韓国が前年同期比18%増の4,355億ウォン、北米・欧州が同38%増の3,139億ウォン、中国が同82%増の1,049億ウォンとなり、全地域で力強い成長を遂げた。
新興市場では、中南米やアフリカにおけるインフラ投資や鉱山開発関連の需要が成長をけん引。北米・欧州では、前年の低い水準からの回復に加え、中国では現代建設機械(HCE)の販売増が貢献した。営業利益は1,049億ウォンで営業利益率は4.0%となり、前年同期のマイナス1.8%から大幅に改善。地域・製品ミックスの向上と価格改定効果が収益性を押し上げた。
エンジン事業も堅調に推移。売上高は前年同期比8%増の2,759億ウォンとなった。発電用エンジンが電力需要の増加に支えられて好調に推移したほか、防衛用エンジンも安定した販売を維持。社内向け販売も前年同期比で増加に転じた。営業利益は前年同期比42%増の465億ウォンを記録し、営業利益率は16.9%の高水準を維持した。大型電子・ガス発電用エンジンや防衛用エンジンの販売増に加え、合併後のシナジー効果の加速が中長期的な収益性向上につながると期待されている。
財務面では、純有利子負債は8,004億ウォンとなり、負債比率127%、純有利子負債比率40%と、財務構造の改善が続いている。同社は将来の成長投資と株主還元の強化に加え、財務構造のさらなる改善に努める方針を示している。
市場見通しについては、新興市場では資源国での中大型機械販売が想定を上回る強さを見せており、北米では米国の関税政策の不確実性が解消されれば需要回復が期待される。欧州でも利下げを背景に回復の兆しが見られる。中国市場はインフラ・不動産政策により力強い成長が見込まれている。エンジン事業では、新興市場の電力需要拡大や北米でのデータセンター需要、地政学的緊張による防衛需要の増加が成長を支えると予想される。
HD現代インフラコアは、主要市場での需要回復と戦略的な製品・価格政策により、収益性が大幅に改善した。今後も高付加価値製品の拡大と重点市場への注力により、持続的な成長と収益性向上を目指すとしている。
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