・南米市場でのプレゼンス強化へ、設計・製造・サービス体制を拡充
荏原製作所は10月31日、ブラジルのポンプユニットメーカーGEMINI GERMEK HIDROMECÂNICA LTDA.(以下、Germek社)の全持分を取得する契約を締結したと発表した。取得は2026年1月末を予定しており、同社の完全子会社化を通じて、南米市場における事業基盤の強化とソリューション提供力の向上を図る。
■建築・産業セグメントの成長戦略を加速
荏原は中期経営計画「E-Plan2025」において、建築・産業セグメントを成長ドライバーと位置づけ、グローバル市場でのシェア拡大を目指してM&Aや新拠点設立を積極的に推進している。今回の買収は、2020年に策定された長期ビジョン「E-Vision2030」に基づく海外拠点拡充の一環であり、6年間で12拠点目の海外展開となる。
南米地域では、農業・建築・産業分野におけるポンプ需要が堅調に推移しており、荏原はこれまでブラジルおよびコロンビアの拠点を活用して事業を展開。2024年にはウルグアイにも新拠点を設け、地域全体でのプレゼンス拡大を進めてきた。
■Germek社の技術力を活かし、製品競争力を強化
買収対象となるGermek社は、ブラジル・サンパウロ州に本社を構え、消火および農業分野向けのポンプユニットに特化した設計・製造・販売・サービスを展開。特に高い設計・エンジニアリング力を有しており、荏原は同社の技術を取り込むことで、消火用ポンプ市場におけるニーズ対応力を強化するとともに、農業分野を含む他セグメントでの製品・サービスの競争力向上を図る構え。
■ESG経営とSDGs達成に向けた取り組みも推進
荏原グループは、ESG重要課題への対応を通じて持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指しており、今回の買収もその一環として、地域社会への貢献と企業価値の向上を両立させる方針。
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