米テレックス、タワークレーンおよびラフテレーンクレーン事業を売却、伊ライモンディ社に譲渡完了

テレックス社(Terex Corporation):2025年11月3日

米国テレックス社(Terex Corporation、本社:コネチカット州ノーウォーク)は11月3日、同社のタワークレーンおよびラフテレーンクレーン事業の売却を完了したと発表した。譲渡先はイタリア・ミラノを拠点とするグローバルクレーンメーカーのライモンディ・クレーンズ(Raimondi Cranes SpA)。

譲渡対象には、イタリア国内のフォンタナフレッダおよびクレスペッラーノ両拠点の製造施設のほか、米国ノースカロライナ州ウィルミントンにあるテレックス北米クレーンサービス・サポート拠点が含まれる。一方、オーストラリア拠点の「フランナ(Franna)」ブランドによるピックアンドキャリークレーン事業は売却の対象外となった。

テレックス社のサイモン・ミースター(Simon Meester)社長兼CEOは、「今回の事業売却は、当社が掲げる“事業の景気循環性の低減”と“持続的な成長加速”という戦略方針に合致するものである」とコメント。「一方で、イタリアの両クレーン事業は、建設・重量物揚重分野のリーディング企業であるライモンディグループの一員となることで、さらなる成長機会を得るだろう。当社はこれまでのチームの尽力に感謝し、今後の活躍を心より願っている」と述べた。

■テレックス社の概要
テレックスは、資材処理機械、廃棄物・リサイクル機器、可搬式高所作業車(MEWP)、電力・ユーティリティ関連機器などを手がける産業機械メーカー。世界各地の顧客に向けて、メンテナンスやエネルギー、鉱物・資材管理、建設、リサイクル、エンターテインメント分野に製品を供給している。
また、電動・ハイブリッド機器による静音・無排出運転や再生可能エネルギー対応機器、廃棄物からの有用資源回収を支援する製品群など、環境負荷低減に貢献する技術開発にも注力している。製造拠点は北米・欧州・アジア太平洋地域に展開。

■ライモンディ・クレーンズの概要
ライモンディは1863年創業の老舗クレーンメーカーで、本社はイタリア・ミラノ。創業以来、17,000台以上のクレーンを世界各地に納入しており、イタリア工学に基づく高品質な揚重技術で知られる。
現在はアラダ・グループ(Arada Group)の一員であるアラダ・インダストリーズ傘下にあり、革新性と顧客志向を軸に建設・揚重業界での地位を強化している。

今回の事業譲渡により、テレックスは中核事業である資材処理機械や高所作業車分野への集中を一段と強める一方、ライモンディはタワーおよびラフテレーンクレーン分野での製品ライン拡充を図り、欧州を中心に事業基盤をさらに強化する構えだ。

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