クボタ建設 (大阪市浪速区)を代表企業とするコンソーシアムは11月5日、カンボジア王国の首都プノンペンにおける「プンプレック上水道拡張計画」を受注したと発表した。
本案件は、日本政府とカンボジア政府の間で2022年11月に調印された事業・運営権対応型無償資金協力(JICA)によるプロジェクトで、プンプレック浄水場の能力増強および運用・維持管理の向上を目的とするものである。既存設備の能力強化を図るとともに、安定的で持続可能な給水体制の構築を目指す。
プノンペンでは、都市化と経済成長の加速により水需要が急速に拡大しており、既存施設だけでは乾季における水圧低下や断水が頻発していた。カンボジア政府は都市部全域で安全な水の供給体制を確保する政策を掲げており、本計画はその一環として位置づけられている。
クボタ建設は、2003年に完工した「プンプレック浄水場拡張計画(既設工事)」をはじめ、プノンペン市内の上下水道関連施設の建設・配管工事に長年携わってきた実績を有する。今回も同社を中心に、これまでに蓄積した施工技術とノウハウを活かし、現地社会の生活環境改善と地域発展への貢献を図る方針である。
事業期間は2025年10月から2028年12月までの39カ月。工事内容は、取水施設(取水能力4万7,250m³/日)の新設、浄水施設(浄水能力4万5,000m³/日)の増設、配水池(6,000m³)の新設、ならびに中央監視システム(SCADA)の設置を含む。完成後は10年間にわたり施設の運営・維持管理も担う。
発注者はプノンペン水道公社(PPWSA)。構成企業は代表のクボタ建設のほか、クボタ本体および建設技研インターナショナルの3社体制である。
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