住友重機械、25年1〜9月決算、受注高は19%増で回復基調、減益続くも通期予想は据え置き

住友重機械工業は10月31日 、2025年12月期第3四半期(2025年1〜9月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.4%減の7,532億円にとどまり、営業利益は同15.4%減の347億円、経常利益は同10.6%減の315億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同18.1%減の199億円と減益決算となった。1株当たり四半期純利益(EPS)は165円58銭(前年同期200円55銭)だった。

■受注残の影響で減収減益も、受注高は大幅増加

当期の業績は、受注残が前期比で少なかったことが売上高の減少につながった。半導体市況の持ち直しには引き続き足踏みが見られたものの、国内では設備投資や輸出が底堅く推移。海外では米国の景気が堅調に推移し、欧州でも持ち直しの動きが見られたほか、中国でも一定の需要増加があった。

この結果、受注高は前年同期比19.0%増の7,897億円と大幅に増加。受注残高も前期末比5.8%増の6,693億円に達し、今後の業績回復への期待が高まっている。

住友重機械工業2025年第3四半期データ

■セグメント別の業績動向

メカトロニクス部門は、減・変速機の国内外での需要回復やモータ・インバータの在庫調整解消を受け、受注高は同9.4%増の2,009億円、売上高は同5.3%増の1,983億円、営業利益は同53%増の140億円と好調だった。

インダストリアル マシナリー部門は、中国の電気電子関連を中心にプラスチック加工機械の需要が増加し、受注高は同9.5%増の1,661億円となった。しかし、半導体関連の受注残が少なかったため、売上高は同8.6%減の1,486億円、営業損失25億円(前年同期は71億円の利益)となった。

ロジスティックス&コンストラクション部門は、北米代理店の在庫調整一巡を受けて油圧ショベルの受注が増加し、受注高は同15.7%増の2,783億円。ただし、前期の受注が少なかったことから売上高は同4.8%減の2,720億円、営業利益は同40%減の129億円にとどまった。

エネルギー&ライフライン部門は、欧州でのバイオマス発電設備受注などにより、受注高は同63.9%増の1,396億円と大幅増加。売上高は同1.0%減の1,296億円だったが、プロジェクトの採算性改善やLAES事業化開発費の減少により、営業利益は同322%増の86億円と大幅増益となった。

■通期予想は据え置き

同社は2025年12月期通期の連結業績予想について、8月5日に公表した数値から修正を行わなかった。売上高は前期比2.0%減の1兆500億円、営業利益は同9.3%減の500億円、経常利益は同10.5%減の440億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同223.8%増の250億円を見込んでいる。1株当たり当期純利益は208円02銭の予想。

配当については、第2四半期末に60円を実施済みで、期末配当は65円、年間配当は125円を予定している。

同社は「中期経営計画2026」に基づき、製品・サービスによる社会課題解決を通じた持続的な企業価値拡大を目指し、収益力改善、資本効率向上、新事業探索の強化を推進していく方針だ。

住友重機械工業の2025年12月期第3四半期決算短信

第3四半期決算説明資料