ナブテスコの25年1〜9月決算、純利益2倍増の115億円、精密減速機の需要回復で大幅増益

・非継続事業の分類で売上高は減収も収益性改善で営業利益率は7.0%に向上

ナブテスコは10月31日、2025年12月期第3四半期(1〜9月期)の連結決算を発表した。油圧機器事業を非継続事業に分類したことに伴い、継続事業ベースでの開示となった。売上高は前年同期比10.5%増の2,191億8,700万円、営業利益が同80.5%増の153億6,600万円、税引前利益は153億1,400万円、親会社株主に帰属する四半期利益(純利益)は同103.3%増の115億500万円と2倍以上に増加した。基本的1株当たり四半期利益(EPS)は95円97銭と、前年同期の47円12銭から48円85銭増加した。

コンポーネントソリューション事業、トランスポートソリューション事業及びアクセシビリティソリューション事業で需要が増加したことにより増収となった。増収による増益に加え、Project 10による収益性改善活動の効果もあり、大幅な増益となった。売上高営業利益率は7.0%となった。

ナブテスコ2025年第3四半期(継続事業)データ

■セグメント別業績

コンポーネントソリューション事業は、売上高が前年同期比21.5%増の575億1,900万円、営業利益が同91.9%増の38億9,500万円となった。長期化していた産業用ロボット在庫が適正水準となったことに加え、需要が堅調に推移したことにより、精密減速機の売上高が増加した。

トランスポートソリューション事業は、売上高が同13.2%増の714億8,000万円、営業利益が同21.8%増の108億7,400万円となった。鉄道車両用機器は国内外での新車向け需要及びMRO需要が好調に推移し、航空機器は防衛費の増大による需要の拡大が継続、舶用機器は新造船向け需要及びMRO需要が好調に推移した。

アクセシビリティソリューション事業は、売上高が同3.5%増の784億9,800万円、営業利益が同20.1%増の62億3,600万円となった。自動ドア事業は、国内での建物用ドア及びプラットホームドア需要が堅調に推移した。

地域別では、日本が同13.0%増の1,120億2,300万円、中国が同39.1%増の304億9,300万円と好調だった一方、北米は同4.2%減、ヨーロッパは同4.3%減となった。

■通期業績予想を修正

2025年12月期通期の連結業績予想については修正を発表した。売上高は3,007億円(前回予想3,440億円)、営業利益は208億円(同223億円)、税引前利益は208億円(同224億円)、親会社株主に帰属する当期利益は149億円(同146億円)を見込む。油圧機器事業を非継続事業に分類したことに伴い、継続事業ベースで前回発表予想値から組み替えたもので、組替前の業績予想値については前回発表予想より変更はない。

配当については、年間80円(中間40円、期末40円)を予定しており、修正はない。

ナブテスコの2025年12月期第3四半期決算短信

決算説明資料