アマダは11月4日、三次元レーザ統合システム「ALCIS-1008e(アルシス・センイチマルマルハチイー)」のブルーレーザ・スキャナーヘッド仕様について、11月より正式受注を開始したと発表した。
「ALCIS(Advanced Laser Cube Integrated System)」は、ブルーレーザとファイバーレーザのいずれかの発振器を選択搭載可能とし、切断・溶接・積層造形など多様な加工を一台で実現する三次元レーザ統合システムである。今回受注を開始するモデルは、4kWの高出力ブルーレーザ発振器を採用。波長450nmのブルーレーザによる高い銅吸収率を活かし、EV用モーターの平角銅線ヘアピンおよびバスバー溶接工程を全体最適化。従来比で約3倍の生産性向上と、高速かつスパッタレスな安定加工が可能となった。
本体はX・Y・Zの三軸直交駆動を採用し、傾斜軸付きスキャナーヘッドおよびオプションの二軸ポジショナーテーブルによる複雑形状対応を実現。「オンザフライ加工」技術により、軸移動とスキャナー作動を同期させることで停止時間を大幅に削減している。
装置制御にはNC装置「AMNC 4ie」および最新CAD/CAMソフト「VPSS 4ie MMWELD」を搭載。製品ごとのティーチング作業を不要とするオフラインプログラム作成機能や、AI画像解析を活用した「溶接位置センシング」により、ワークの位置ずれや銅線間すき間対応を自動化し、段取りレスかつ簡単操作を実現する。また、オプションのレーザウエルドモニター「MM-L400A」は、加工異常を3種の光強度変化で即座に判定し、トレーサビリティ確保と不良流出ゼロへの貢献を特徴とする。
主な装置仕様は、軸移動量(X×Y×Z)が1000×800×500mm、スキャナーヘッドのU軸傾斜が±45度、二軸テーブルのCR軸傾斜が±95度、CS軸回転が±240度、最大早送り速度が50m/minである。発振器は青色ダイレクトダイオードレーザ方式で出力は3000Wまたは4000W、外形寸法は幅2200mm、奥行2535mm、高さ2700mm。
アマダは本システムを「ALCIS」シリーズとして今後も拡充し、サステナブルなe-Mobility需要など新たな分野にも対応したレーザ加工技術の価値創造に注力するとしている。
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