川崎重工業は9月30日、水素を最大30%(体積比)まで混焼可能な大型ガスエンジン発電設備(8MW級)の販売を世界で初めて開始した。
同製品は、神戸工場(兵庫県神戸市)に設置した実証設備にて、2024年10月から都市ガスに水素を混合した燃料での運用検証を進め、2025年9月に試験を完了。運転や水素供給、メンテナンス面での有効性が確認された。
同社の「カワサキグリーンガスエンジン」は2011年の初受注以来、天然ガスを用いた5~8MW級の高効率機として累計240台以上の実績を持つ。新製品はこの実績を基盤に、水素を最大30%まで混焼可能な「水素Ready」仕様とし、既存インフラを活かしながら脱炭素化とエネルギー多様化に対応できるのが特徴だ。
主な特長は、高効率・低NOx設計による環境性能、運転中の水素混合率変更機能、水素漏洩検知器や窒素パージによる安全対策、既設エンジンの改造対応(レトロフィット化)など。既存のKGシリーズから仕様を刷新した。
川崎重工は今後、水素サプライチェーン(つくる・はこぶ・ためる・つかう)の構築を進め、分散型電源の導入を通じて持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献する方針。