・CVT部品と再製エンジンの生産能力を拡充、循環型経済の実践を加速
AGCO :2025年9月25日
農業機械および精密農業技術のグローバルリーダーであるAGCO(NYSE: AGCO)は、傘下のAGCO Power部門において、フィンランド・リンナヴオリ(Linnavuori)工場の生産能力強化に向けた新施設の稼働を発表した。今回の投資額は5,400万ユーロ(約94.5億円、175円換算)で、同社が以前に表明した7,000万ユーロ(約122.5億円)の投資計画の一環となる。
新設された加工ホールでは、AGCO Powerの最新エンジン「CORE」向けのシリンダーヘッドおよびCVT(無段変速機)構成部品の製造が行われる。また、再製エンジンの生産エリアも拡張され、年間最大2,500基の再製エンジン生産が可能となる。
AGCO Powerは、Fendt®、Massey Ferguson®、Valtra®といった世界的なトラクターブランド向けにエンジンを供給しており、リンナヴオリ工場は同社のグローバルエンジン技術拠点としての役割を担っている。
■加工技術の高度化と持続可能性の両立
AGCOエンジニアリング担当上級副社長のケルヴィン・ベネット(Kelvin Bennett)氏は、「今回の加工設備投資は、リンナヴオリをAGCOのグローバルエンジン技術拠点としてさらに強化するものです。最先端の生産技術と持続可能なソリューションへの投資は、世界中の農業従事者を支える基盤となります」と述べている。
リンナヴオリはすでにフィンランド最大のトランスミッションギア製造拠点であり、今回の拡張により5,600㎡の新たな生産スペースが加わった。
■再製エンジンで循環型経済を実践
AGCOは1990年から体系的な再製エンジン事業を展開しており、現在では年間1,000基以上を再製。今回の拡張により最大2,500基まで対応可能となる。品質・アフターマーケット担当ディレクターのユッシ・リンネ(Jussi Rinne)氏は、「再製エンジンは最大80%の質量を再利用可能で、鋳鉄部品も含めて再活用されます。新規製造に比べてCO₂排出量を大幅に削減できるのが特長です」と説明する。
また、リンナヴオリではガスエンジンブロックや船舶用エンジンの製造も行っており、多様なパワートレインニーズに対応している。
■クリーンエネルギー研究施設も稼働
2024年には、リンナヴオリ工場内にクリーンエネルギー研究所が開設され、低炭素エンジン技術の研究・試験が進められている。今回の加工ホールおよび再製エリアの拡張は、AGCO Powerの持続可能な動力源開発における競争力をさらに高めるものとなる。
AGCO Powerは、フィンランド、中国、ブラジル、アルゼンチンに生産拠点を持ち、80年以上の歴史を誇るリンナヴオリ工場はその中核を担っている。
■AGCOについて
AGCOは、Fendt®、Massey Ferguson®、PTx、Valtra®などのブランドを擁し、農業機械およびスマート農業ソリューションを世界中の農家に提供。1990年創業、米国ジョージア州ダルースに本社を置き、2024年の売上高は約117億ドル。
■ AGCO Powerについて
AGCO Powerは、世界有数のオフロード機械用エンジンの開発・製造企業である。Fendt(フェント)、Valtra(ヴァルトラ)、Massey Ferguson(マッセイ・ファーガソン)といった著名なトラクターブランド向けにエンジンを供給しており、林業機械をはじめとする各種作業機にも広く採用されている。
生産拠点はフィンランド、中国、ブラジル、アルゼンチンに展開されており、フィンランド・リンナヴオリ工場は80年以上の操業実績を持つAGCO Corporationの傘下施設である。
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