・持続可能性と自動化を軸に、グローバル供給体制を刷新
AGCO :2025年9月22日
農業機械および精密農業技術の世界的リーディングカンパニーであるAGCO(NYSE: AGCO)は、2025年9月22日、フランス・アムネヴィル=レ・ポルト・ド・ロルヌ(Amnéville – Les Portes de l’Orne)で新たな欧州・中東地域向け部品供給センター(EME PDC)の起工式を実施した。本施設は、欧州域内の供給強化に加え、北米・南米・アジア太平洋地域への部品供給の中核拠点としても機能する。
新センターは2026年末の稼働を予定しており、延床面積95,000㎡の先進的物流施設として、近隣エネルリーに点在する5拠点を統合。年間500万件超の注文ラインを処理可能な体制を整え、24時間対応のeコマース注文、高度な自動化技術の導入により、納期短縮と精度向上を図る。
AGCOのカスタマーサクセス&業務効率担当シニアバイスプレジデント、ステファン・カスパリ(Stefan Caspari)氏は「これは単なる建物ではなく、農業従事者へのサービスの在り方を根本から変える一歩です」と語り、地域社会・従業員・農家への持続可能かつ迅速な支援体制構築への意欲を示した。
総投資額は約8,700万ユーロで、そのうち約1,700万ユーロが低排出・持続可能性を重視した施設整備に充てられる。AGCOは30年以上にわたりメス都市圏で事業を展開しており、同地域から世界のディーラー・農家への供給体制を維持・強化する。
アフターセールス担当バイスプレジデント、ジェナ・ホルトバーグ=ベンジ(Jena Holtberg-Benge)氏は「部品事業はAGCOのグローバル成長を支える柱です。新センターにより供給能力を拡張し、充足率の向上と持続可能性目標の達成を両立させます」と述べた。
施設は再生可能電力・太陽光発電・地域熱水供給による暖房を活用し、構内の搬送機器はすべて電動化。AGCOが掲げる温室効果ガス排出量(Scope 1・2)55%削減目標(2033年まで)に貢献する。また、10年以上未利用だった敷地には約300本の樹木を植樹し、生物多様性と職場環境の向上を図る。
設計・開発にはエネルリーの熟練チームが参画し、サービスの継続性と円滑な移行を支援。400名超の従業員が一堂に会する新拠点では、作業環境の安全性・快適性・人間工学的配慮にも重点が置かれる。
■AGCOについて
AGCOは、Fendt®、Massey Ferguson®、PTx、Valtra®などのブランドを擁し、農業機械およびスマート農業ソリューションを世界中の農家に提供。1990年創業、米国ジョージア州ダルースに本社を置き、2024年の売上高は約117億ドル。
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