・自動機能を内蔵、安全性と効率性を大幅向上
キャタピラー(Caterpillar):2025年9月19日
米テキサス州アーヴィング、建設機械大手のキャタピラー社は19日、次世代Cat®アーティキュレートトラック「725」「730」「730 EJ」「735」の4モデルを発表した。新機種は自動制御機能を大幅に強化し、作業効率と安全性の向上を実現している。
■操作性を革新するインテリア設計
新型機では運転席周りを全面刷新。すべての機能を洗練されたタッチスクリーンまたは応答性に優れたキーパッドから操作可能とした。タッチスクリーンには統合型ジョグダイヤルを装備し、直感的な操作を実現している。
プッシュスタート機能にはオペレーターID機能を搭載。最大50人のオペレーターIDを記録でき、迅速な作業開始と不正使用防止を両立している。
同社のグローバル製品アプリケーションスペシャリスト、シェリー・ウィリアムス氏は「新設計により、次世代アーティキュレートトラックの操作感は、これまで以上に快適で応答性に優れ、使いやすくなった。725にCat C13Bエンジンを採用することで、パワー・ウェイト比が向上し、Tier 4 Final適合機種において最大14%の効率向上を実現している」と説明した。
■高性能エンジンで全世界対応
新開発のCat C13エンジンは、モデルに応じて257~316kW(345~424馬力)の出力を発生。米国EPA Tier 4 Final、EU Stage V、日本2014年規制、韓国Stage Vなど世界各国の排ガス規制に対応する。コンパクトで軽量な設計を採用し、排気ガス再循環装置を不要としている。
新機能として、オペレーターの操作を必要としない先進的な自動トラクション制御を搭載。路面状況の悪い現場でもホイールスピンを防止し、最大限のトラクションと生産性を確保する。
エンジン過回転制御機能は、自動リターダー制御(ARC)と連携してブレーキングを管理し、エンジン回転数を自動調整。車両の操縦性向上と操舵応答性の改善により、経験の浅いオペレーターも困難な条件下で安心して作業できる。
■積載効率を追求した新設計ボディ
725、730、735モデルには再設計されたダンプボディを採用。従来設計より積み込みが容易で、積載量を最大化している。排気熱システムのルート変更により材料の付着を最小限に抑え、積載効率の向上と清掃時間の短縮を実現した。
改良された積載技術により、オペレーターは統合ディスプレイでリアルタイムの積載重量を確認可能。更新されたソフトウェアとセンサーが正確なデータを提供する。外部積載表示灯は、定格積載量への接近と到達を積込オペレーターに知らせる。
■安全性を革新する新機能
キャタピラー独自の「ダイナミックロール保護」機能は、実績のある安定アシスト機能と並行動作し、転倒防止をサポート。材料や現場条件に応じて設定可能で、高い横Gを検出すると視覚・音響アラームを発し、燃料供給を減らして自動的にサービスブレーキを作動させる。高速コーナリングによる車両転倒リスクを軽減し、ダウンタイムや安全修理の必要性を最小限に抑える。
新機能「オートウェイトブレーキ(AWB)」は、シフトレバーがパーク以外の位置にあり車速が0km/hに達すると、自動的にサービスブレーキを作動。停止から1秒以内にブレーキが作動し、8秒後にはトランスミッションがニュートラルに移行してAWBが作動する。アクセルを踏むだけでトランスミッションが再作動し、サービスブレーキが解除される。
■特殊用途に対応する730 EJ
730 EJアーティキュレートトラックは、ボディを上げることなく積荷を排出する独自設計を採用。傾斜地、側面斜面、埋立地のような非常に軟弱な路面条件でも機械の安定性を保持できる。低い頭上クリアランスの場所でも排出可能で、トンネルや地下作業に最適。材料がボディに付着することをほぼ完全に防ぎ、生産性を向上させる。
■生産・販売計画
新型次世代Catアーティキュレートトラックの生産は、730モデルから開始し、2026年1月を予定している。
キャタピラーは1985年から英国ピータリー工場でアーティキュレートトラックの製造を開始。36トン級のD400でデビューして以来、継続的な設計改良を重ね、2018年には5万台目の生産という節目を迎えた。
新型Cat 725、730、730 EJ、735アーティキュレートトラックの詳細は、Catディーラーへの問い合わせまたはcat.comで確認できる。
詳細は、ニュースリリース
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