芝浦機械、K 2025で次世代射出成形機を発表

・全電動新機種とAI予知保全システムを披露、買収のLWB Steinl社と共同出展

射出成形機大手の芝浦機械は、10月8日から15日までドイツ・デュッセルドルフで開催されるK 2025(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展し、次世代全電動式射出成形機「EC-SXⅢ S-Concept」と新型油圧式射出成形機「S-GenXtシリーズ」を発表する。同時に買収を発表したLWB Steinl社との共同出展も実施する。

今回の出展テーマは「スマート」「グリーン」「サステナブル」。プラスチック業界の持続可能性と生産性向上に向けた包括的なソリューションを提案する。

■自動化セルで再生PET成形を実演

メイン展示では、全電動式射出成形機「EC75SXⅢ-2Y/S-Concept」を中核とした自動化セルを構築。自社製6軸ロボット「TV1000&TVM900」、スター精機製取出機「IXW-800VIP」、ROBOPRINT社製ロゴ印刷システムなどと連携し、再生PETによる名刺ケースの成形から検査まで一貫した自動化工程を実演する。

注目は新機能「A-Product Plus」の参考展示。画像検査システムと連動して成形条件を自動補正することで、不良率低減と生産性向上を実現する先進技術だ。

■欧米向け油圧機も同時披露

第二の展示では、欧米市場向けの油圧式射出成形機「S-GenXt180-7」による食品容器のハイサイクル成形を実演。インモールドラベリングシステムと組み合わせ、食品包装分野での高効率生産をアピールする。

■AI予知保全で稼働率向上

参考出展として、AI搭載監視システム「Virtual Machine Expert」も披露する。生産プロセスを継続監視し、潜在的な部品寿命を予測する予知保全機能により、計画外ダウンタイムの削減と稼働信頼性の向上を図る。

全ての展示機械は、同社のIIoTプラットホーム「machiNetCloud」と接続。リアルタイムデータ表示による一元的な工程可視化を実現し、エネルギー追跡や性能分析などの機能で総所有コスト(TCO)削減に貢献する。

■ドイツ企業買収との相乗効果に期待

同社は今回の展示会に合わせ、ドイツの射出成形機メーカーLWB Steinl社の子会社化を発表。K 2025では同社との共同出展も実施し、欧州市場での事業展開加速をアピールする構えだ。

プラスチック業界では脱炭素化や循環経済への対応が急務となっている。芝浦機械の今回の出展は、環境配慮と生産効率の両立を目指す業界ニーズに応える技術提案として注目される。

【K 2025出展概要】

  • 会期:10月8日(水)~15日(水)
  • 会場:ドイツ・デュッセルドルフ
  • ブース:ホール15、B21
  • 主要展示機:EC75SXⅢ-2Y/S-Concept、S-GenXt180-7
  • 新技術:A-Product Plus、Virtual Machine Expert

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