芝浦機械、独射出成形機メーカーLWB Steinl社を買収へ

・欧州事業拡大の一環、80%出資で子会社化

射出成形機大手の芝浦機械は9月26日、ドイツの射出成形機メーカーLWB Steinl GmbHを子会社化すると発表した。100%子会社のSHIBAURA MACHINE EMEA GmbHを通じて同社株式の80%を取得し、3年後を目途に完全子会社化する計画。欧州市場での事業基盤強化を図る狙い。

買収対象のLWB Steinl社は1962年創業の老舗企業で、ドイツ・アルトドルフに本社を置く。ゴム加工用の竪型射出成形機を中心とした産業用機械の製造・販売を手がけており、モジュラー式射出成形機の専門技術に定評がある。年商は約4千万ユーロ(約65億円)。

芝浦機械は2026年度を最終年度とする中期経営計画「中計2026」において、事業ポートフォリオの変革を掲げている。欧州市場開拓もその重要施策の一つで、既存のイタリア子会社に続いて今年5月にはドイツ子会社も設立していた。

今回の買収により、同社は欧州での生産拠点と販売・サービス網を一気に強化できる見通し。LWB Steinl社が持つ60年超の実績とブランド力を活かし、欧州市場参入の足掛かりとする考え。

一方、芝浦機械のインド工場などのリソースを活用することで、LWB Steinl社の製品コストダウンやアジア市場への販路拡大も狙う。両社の技術・市場ノウハウを組み合わせることで、グローバルでの競争力向上を目指す。

子会社化完了後は社名を「SHIBAURA MACHINE LWB GmbH」に変更する予定。基本合意書は26日に締結済みで、10月初旬の契約締結、11月下旬から12月中旬の株式譲渡実行を予定している。

射出成形機業界では、中国メーカーの台頭や環境規制強化などで競争環境が厳しさを増している。日本メーカーには高付加価値製品での差別化に加え、グローバル展開の加速が求められており、芝浦機械の今回の買収戦略も注目される。

<LWB Steinl GmbH概要>

  • 所在地:ドイツ・アルトドルフ
  • 設立:1986年2月(創業は1962年)
  • 代表者:Peter Steinl(Managing Director)
  • 事業内容:射出成形機を中心とする産業用機械の製造・販売
  • 資本金:50万ユーロ
  • 売上高:約4千万ユーロ

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